りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

2020-01-01から1年間の記事一覧

ぼくは落ち着きがない

ぼくは落ち着きがない 作者:長嶋 有 発売日: 2008/06/20 メディア: 単行本 ★★★★ 青春小説の金字塔、島田雅彦『僕は模造人間』(86年)、山田詠美『ぼくは勉強ができない』(93年)。偉大なる二作に(勝手に)つづく、00年代の『ぼくは~』シリーズとも言うべき最新…

家族じまい

家族じまい (集英社文芸単行本) 作者:桜木紫乃 発売日: 2020/07/17 メディア: Kindle版 ★★★★★ 札幌近郊の美容院のパートとして働く智代は、子どもたちが独立したいま、夫とふたりで暮らしている。夫にも自分にも老いを感じ始めたある日、妹から母が認知症に…

持続可能な魂の利用

持続可能な魂の利用 (単行本) 作者:松田 青子 発売日: 2020/05/19 メディア: 単行本 ★★★★ 「どうして親は私に殺しのテクニックを叩き込んでくれなかったのだろう」会社に追いつめられ、無職になった30代の敬子。男社会の闇を味わうも、心は裏腹に男が演出す…

さん助ドッポ2020

10/17(土)、深川江戸資料館小ホールで行われた「さん助ドッポ2020」に行ってきた。2か月ぶりの落語会。在宅勤務になって通勤がなくなったことと、あつ森(「あつまれどうぶつの森」というゲーム)にはまって森にこもりっきりになって、すっかり出不精…

結婚の奴

結婚の奴 作者:能町 みね子 発売日: 2019/12/23 メディア: 単行本(ソフトカバー) ★★ 人生を変えるような恋愛だの結婚だのは無理だが、ひとりは嫌だ。ゲイの夫(仮)と、恋愛でも友情でもない生活をつくるまでを綴った能町みね子の最新作。 結婚というのは「…

御社のチャラ男

御社のチャラ男 作者:絲山 秋子 発売日: 2020/01/23 メディア: 単行本 ★★★★★ 社内でひそかにチャラ男と呼ばれる三芳部長。彼のまわりの人びとが彼を語ることで見えてくる、この世界と私たちの「現実」。すべての働くひとに贈る、新世紀最高“会社員”小説。 タ…

あなたならどうする

あなたならどうする (文春文庫) 作者:荒野, 井上 発売日: 2020/07/08 メディア: 文庫 ★★★★ 病院で出会った男と女の行き場のない愛―「時の過ぎゆくままに」。カルト宗教の男を愛してしまった女の悲劇―「あなたならどうする」。冷酷非情に女を乗り換える男の理…

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい 作者:大前粟生 発売日: 2020/03/11 メディア: 単行本 ★★★★ “男らしさ”“女らしさ”のノリが苦手な大学2年生の七森。こわがらせず、侵害せず、誰かと繋がりたいのに。ジェンダー文学の新星!鋭敏な感性光る小説4篇。ぬいぐるみ…

サキの忘れ物

サキの忘れ物 作者:記久子, 津村 発売日: 2020/06/29 メディア: 単行本(ソフトカバー) ★★★★ アルバイト先に忘れられた一冊の本。それは誰からもまともに取り合ってもらえなかった千春がはじめて読み通した本となった。十年後、書店員となった彼女の前に現…

晴れの日散歩

晴れの日散歩 作者:角田 光代 発売日: 2020/02/27 メディア: 単行本 ★★★★ 京都の卵サンドのおいしさに震え、ドラマロスになり、レモンサワーをこよなく愛す。年を重ねても変わらない、角田光代のかけがえのない日常。オレンジページ人気エッセイ第四弾! 大好…

コロナの時代の僕ら

コロナの時代の僕ら 作者:パオロ・ジョルダーノ,Paolo Giordano 発売日: 2020/04/24 メディア: 単行本 ★★★★★ 「今まさに読まれるべき本」「コロナ後を考えるうえでも有意義」「感染症の科学についてわかりやすく解説されている」など、感想を続々頂戴してい…

祝祭と予感

祝祭と予感 作者:恩田 陸 発売日: 2019/10/04 メディア: 単行本 ★★★ 大ベストセラー『蜜蜂と遠雷』、待望のスピンオフ短編小説集!大好きな仲間たちの、知らなかった秘密。入賞者ツアーのはざま亜夜とマサルとなぜか塵が二人のピアノの恩師・綿貫先生の墓参り…

木になった亜沙

木になった亜沙 作者:夏子, 今村 発売日: 2020/04/06 メディア: 単行本 ★★★ 誰かに食べさせたい。願いがかなって杉の木に転生した亜沙は、わりばしになって、若者と出会った―。奇妙で不穏でうつくしい、三つの愛の物語。 生まれた時から世間とずれている…な…

わたしに無害なひと

わたしに無害なひと (となりの国のものがたり5) 作者:チェ・ウニョン 発売日: 2020/04/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) ★★★★★ 十六の夏に出会ったイギョンとスイ。はじまりは小さなアクシデントからだった。ふたりで過ごす時間のすべてが幸せだった。で…

柳家小三治 夏の会 昼の部

8/10(月)、よみうりホールで行われた「柳家小三治 夏の会 昼の部」に行ってきた。 ・小はぜ「富士詣り」・三三「金明竹」~仲入り~・小八「夏泥」・小三治「小言念仏」 本当に久しぶりの小三治師匠。お元気そうな姿にほっとして嬉しくて泣きそうになる。…

人間

人間 作者:又吉 直樹 発売日: 2019/10/10 メディア: 単行本 ★★★★ 僕達は人間をやるのが下手だ。38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは?初の長編小説にして代表作、誕生!! フ…

鴻上尚史のもっとほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋

鴻上尚史のもっとほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋 鴻上尚史のほがらか人生相談 作者:鴻上 尚史 発売日: 2020/05/07 メディア: Kindle版 ★★★★★ 「人はわかり合えない。その認識に立った回答がどうしてこんなにもポジティブなのか」 「回…

来世の記憶

来世の記憶 (角川書店単行本) 作者:藤野 可織 発売日: 2020/07/10 メディア: Kindle版 ★★ 「あたしの前世は、はっきり言って最悪だった。あたしは、おっさんだった」地球爆発後の近未来。おっさんだったという記憶を持つ「あたし」の親友は、私が前世で殴り…

池袋演芸場8月上席昼の部

8/1(土)、池袋演芸場8月上席昼の部に行ってきた。 ・左ん坊「子ほめ」・小太郎「手水廻し」・さん助「看板の一」・マギー隆司 マジック・たけ平「宿題」・一之輔「かぼちゃ屋」~仲入り~・カンジヤマ・マイム パントマイム・文蔵「馬のす」・燕路「鹿政…

十字屋落語会 馬治・さん助ふたり会

7/31(金)、「十字屋落語会 馬治・さん助ふたり会」に行ってきた。・さん助「鼻ほしい」・馬治「笠碁」~仲入り~・馬治「 代書屋」・さん助「夏の医者」 さん助師匠「鼻ほしい」エレベータでこちらの会にいらしてくれたお客さんと一緒になったのに、全く気…

くちなし

くちなし 作者:まる, 彩瀬 発売日: 2017/10/26 メディア: 単行本 ★★★★ 別れた愛人の左腕と暮らす。運命の相手の身体には、自分にだけ見える花が咲く。獣になった女は、愛する者を頭から食らう。繊細に紡がれる、七編の傑作短編集。 表題作を読んで「え?前か…

よそ者たちの愛

よそ者たちの愛 (エクス・リブリス) 作者:テレツィア・モーラ 発売日: 2020/03/25 メディア: 単行本 ★★★★★ 孤独や言い知れぬ閉塞感を抱えながら、都市の片隅で不器用に生きる人々。どこにでも、誰のなかにも存在する“よそ者”たちの様々な思いを描く。ハンガ…

餃子のおんがえし

餃子のおんがえし 作者:じろまるいずみ 発売日: 2020/02/04 メディア: 単行本(ソフトカバー) ★★★★★ 食エッセイ界の遅咲きの新星、じろまるいずみの初エッセイ集。 チャーハンにステキなサムシングを入れてしまう母親グラタンが好きな吸血鬼……ごはんにまつ…

デッドライン

デッドライン 作者:千葉 雅也 発売日: 2019/11/27 メディア: 単行本 ★★★★ 修士論文のデッドラインが迫るなか、「動物になること」と「女性になること」の線上で煩悶する大学院生の「僕」。高校以来の親友との夜のドライブ、家族への愛情とわだかまり、東西思…

ザリガニの鳴くところ

ザリガニの鳴くところ 作者:ディーリア・オーエンズ 発売日: 2020/03/05 メディア: 単行本(ソフトカバー) ★★★★★ ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはた…

たおやかに輪をえがいて

たおやかに輪をえがいて (単行本) 作者:窪 美澄 発売日: 2020/02/18 メディア: 単行本 ★★★ 風俗に通う夫、不実を隠した父、危険な恋愛に耽る娘…夫の心も、娘の顔も、今は見たくない。結婚20年、主婦・絵里子の人生は穏やかに収束するはずだった。次々つきつ…

十字屋落語会 馬治・さん助ふたり会

7/17(金)、「十字屋落語会 馬治・さん助ふたり会」に行ってきた。・まめ菊「狸札」・馬治「鮑のし」・さん助「二十四孝」~仲入り~・さん助「胴斬り」・馬治「猫の災難」 馬治師匠「鮑のし」数か月に及んで全く仕事がなくなって家にこもりっきりの生活。…

むらさきのスカートの女

むらさきのスカートの女 作者:今村 夏子 発売日: 2019/06/07 メディア: Kindle版 ★★★★ 近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう…

フライデー・ブラック

フライデー・ブラック 作者:ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー 発売日: 2020/02/03 メディア: 単行本 ★★★★ 新人作家としては破格の注目を集め、一躍アメリカ文学界の最前線に立つ一人となったナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー。その視線は、ローカルな日…

アコーディオン弾きの息子

アコーディオン弾きの息子 (新潮クレスト・ブックス) 作者:アチャガ,ベルナルド 発売日: 2020/05/27 メディア: 単行本 ★★★★★ 1999年、カリフォルニアで死んだ男が書き残した「アコーディオン弾きの息子」という回想録。親友である作家は、バスク語で書かれた…