りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小んぶの真打昇進を祝う会

8/26(日)、紀尾井ホールで行われた「小んぶの真打昇進を祝う会」に行ってきた。

 
・さん喬「初天神
・小平太「あくび指南」
喬太郎「八月下旬」
~仲入り~
・口上(小平太:司会、小傳次、喬之助、小んぶ、さん喬、喬太郎
・小傳次「いもりの黒焼き」
・喬之助「堪忍袋」
・小んぶ「井戸の茶碗
 
さん喬師匠「初天神
入院していたので八月の寄席をお休みしてしまった、とさん喬師匠。
「寄席を休んだのは噺家になって初めてのことでなんとも落ち着かなかった。楽屋で権太楼が私の悪口を言ってるんじゃないかと気が気じゃなくて」に大笑い。
 
それから自分が真打になった時の話。「みなさまご存じでしょうか。私は真打試験を受けて真打になったんですよ」。
「一緒に試験を受けたのは雲助さんや今松さん…私より少し先輩でした。通達が来た時師匠のところに行って、”私の入門時期はここに書いてある期間より後ですから該当しないんじゃないのでは?”と訴えたら、師匠は間髪入れずに”受けろ”」。
「はい」と従わざるを得なかった。
「今でも思い出します。試験会場は昔の池袋演芸場でそこに小さんや志ん朝、馬生、正蔵が座ってるんです。こんなところで落語をしなきゃいけないなんて。そもそも誰も木戸銭払ってない…」。
しかも初めての試験ということで高座を終えて楽屋を出たら記者がずらり。ぱしゃぱしゃ写真を撮られて「いかがでしたか?」なんて聞かれて。
そんな思いをしてなった真打でしたけど、お披露目の時に口上に師匠方が並んでくださって自分のことを話してくださるのは本当に嬉しかった。
 
そんなまくらから「初天神」。
飴玉、だんご、凧、とたっぷり。
駄々をこねる金坊が子供らしくてかわいい。そして行動がいちいち子供っぽい父親のかわいらしさよ。
久しぶりに聞いた「初天神」、縁日の光景が目に浮かんできて楽しかった。
 
喬太郎師匠「八月下旬」
初めて聴く噺。
夏休みに一人で祖父母のもとへ向かう新幹線に向かう少年。
4人掛けの席の向かいに座るのは見知らぬお姉さん。
次々乗ってはきては降りていく3人の訳ありなお姉さんたちに人生の指南を受ける少年が徐々に擦れていくのが面白い。
駅に着くと父親が待っていて、二人で父親の恩師の元を訪ねる…。
 
夏の終わりにぴったりの噺を聴けて、今年もどこへも出かけたり帰省したりできずに終わった夏を少しだけ取り戻すことができた気分。
すごく面白かった。
 
口上(小平太師匠:司会、小傳次師匠、喬之助師匠、小んぶさん、さん喬師匠、喬太郎師匠)
この一門らしく、仲の良さが伝わってくるリラックスした口上。
おかしかったのは喬之助師匠が話をしながら「あれ?そういえば聞いたことがなかったけど、師匠、なんで小んぶは小んぶになったんでしたっけ?」。
さん喬師匠が「お前そりゃ…適当に決めたに決まってるだろう。今まで話したことなかったけど、なんか現れた時、体がこう大きくてなんか漂うような感じが小んぶって感じがしたんだよ。ってお前、なんだ?!師匠に向かってその口のききかたは!」。
 
それからさん喬師匠の小んぶさん評が「こいつはなんかこう人を食ったところがある」「師匠を師匠とも思わない」「すべてがおおざっぱ」というのにも笑った。
とても楽しい口上で、また一門会に行きたくなったなー。
 
小んぶさん「井戸の茶碗
「今私が高座に上がりましたけど、これ…高座を下りる予定の時間です。みんな…楽しくなっちゃったんでしょうね…」と小んぶさん。
小んぶさんの会はずいぶん通ったけど、落語協会の2階でやってた時と同じような感じでこの大きなホールの高座に上がっていてほんと心臓強いなぁ!と思う。
 
時間も押していたのでまくら短く「井戸の茶碗」。
清兵衛さんを見つけたくて高木が下を通る屑屋に声をかけて顔を改めた時に「きれいな顔をしてるな!」と逆に褒めたり、正直な清兵衛さんが仏像から出たお金を千代田氏の所にもっていった時、千代田は固辞するんだけど「お嬢さんが(お金に)熱い視線を送ってます!」とか…
小んぶさんらしい斜め上を行く井戸の茶碗」で、面白かった~。