木になった亜沙
★★★
誰かに食べさせたい。願いがかなって杉の木に転生した亜沙は、わりばしになって、若者と出会った―。奇妙で不穏でうつくしい、三つの愛の物語。
生まれた時から世間とずれている…ないがしろにされたりスルーされる人たちが主人公の3作品。
孤高の彼らが少しだけ世の中に歩み寄ろうとすると、近寄ったことでますますその世界は砕けおかしなことになっていく。
でもこれは悲劇なのだろうか。案外そうでもないのかもしれない。そう思わせるのが独特。
最終話は日常と非日常の境がさらに曖昧でふわっと異世界に行った主人公が何食わぬ顔で日常を生きているのが不思議なような面白いような。今の自分には合わなかったけど違う時に読んだらもっと楽しめたのかもしれない。