りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鴻上尚史のもっとほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋

 

 ★★★★★

「人はわかり合えない。その認識に立った回答が
どうしてこんなにもポジティブなのか」

「回答が具体的だから、ストンと胸に落ちます」
「語りかけるような言葉が、じんわり心に沁みこむ」
「悩んだら、何度でも鴻上さんの言葉に戻る」…
話題沸騰、作家・鴻上尚史氏の人生相談、第2弾!!
観念的ではなく、理想論でもなく、精神論だけでもなく、
具体的で実行可能なアドバイスを25本+書下ろし原稿2本=計27本収録!「もっとほがらか」の方も引き続き面白い。

ネットで見た時も「いいっ!」と思ったのだが、隠居してこれからは会えていなかった弟と会ったり妻と旅行に行こうと思っていたのに、実はみんなから煙たがられていることを知らされて寂しくてしょうがないという男性への回答が秀逸だ。
穏やかに寄り添いつつ、言うことははっきり言う。
いやしかし…長年「俺が食わせてやってるんだ」「お前が〇〇なのは努力が足りないからだ」と言い続けてきた過去を変えることはできないから、いったん家族との関係修復は諦めて外に目を向けてまずは友達を作れ、というのはすごい回答だなぁ。
自分の今までのキャリアや経歴を知らない人たちの中に入ってそこで新たな関係を築けた時、その姿を見て家族も見方を変えてくれるかもしれない、と。ううむ。

恋愛についての回答はちょっと受け入れがたいものもあったけど(ピンとこなくても付き合ってみろ、とか)、どうしても近視眼的になっていくところを「こんな風に考えてみたら?」と視野を広げさせてくれる回答が素晴らしい。面白かった。