りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

楽屋半帖+

9/19(日)、須賀神社社務所で行われた「楽屋半帖+」に行って来た。

・さん助「井戸の茶碗
・さん助「元犬」

日曜日の午前中はなかなかハードルが高い(出かけづらい…)のだが、以前さん助マニア(笑)のお友だちから「さん助さんの”元犬”、めっちゃ面白かった」と聞いていたので、これは聞かねば!と思い、重い足を引きずりつつ(比喩ではなく最近股関節が痛い…)行ってきた。


さん助師匠「井戸の茶碗
え?普通に考えたら「元犬」が先なのでは?と思いつつ…。
さん助師匠の「井戸の茶碗」は初めて!と思ったけど、このブログを検索したら一度聞いたことがあったのだった。
私のような記憶薄い人間にブログや日記はほんとに役に立つのう…しょぼしょぼ。

意外にも(!)ちゃんとした「井戸の茶碗」で、くず屋の清兵衛さんの正直さとお侍さんの正直さの違いがくっきり。

清兵衛さんは正直だけど、くず屋という利の薄い商売で家族を養っていかなければいけないからとても現実的。
一方お侍の二人は武士としての矜持が何よりも大事。
二人のお侍さんの意地の張り合いのために行ったり来たりする清兵衛さんのとほほぶりが楽しかった。

 

さん助師匠「元犬」
「普通は井戸の茶碗をやったらお開き…なんですが、この後続けてやるっていうのもなんか…」とさん助師匠。
え?だから逆にやればよかったのでは?そういう考えはなし?んん?
「でも平気です。そんなことは」。
あ、平気なんですね…ええ。
「せっかく神社でやる会なのでこの噺を」と「元犬」。

満願の日、人間になったシロは裸のまま特に恥ずかしがることもなく立ち上がってみると、お参りにきたかずさやさんを発見。
かずさやさんがご近所の人に会って話をしていると、向こうの方で裸の男が「かずさやさのおじさーん」と呼んでいることに気づく。
「おや、あの人は…裸ですね…」と困惑していると、シロはいつも自分をかわいがってくれてたかずさやさんを見て喜んで近づいてきて「仕事がしたいです!」と叫びながらじゃれつく。
それを見てそっと離れていく近所の人…。

かずさやさんは困惑しつつも「あなたどうして裸…ああ、悪い奴らに身ぐるみはがされたんですね」と言って家に連れて帰る。

家に帰ると女中は旦那様が裸の男を連れてきたことに驚かない。
なぜなら「さっき近所の人が来て、旦那が若い男と抱擁していると聞かされてましたから」。

…ぶわはははは。なんか面白いぞ。

明らかに「変」なシロを見て、「変わった奉公人」を欲しがっていた隠居のところに連れていく。
あとの展開はそのまま、ではあったけど、シロが犬の時も人間に変わってからも特に変化がないのがおかしい。
なんか人間になってからも…何をしでかすか分からないような…はしゃぎすぎて扱いがめんどくさい犬そのもの?みたいな感じ。

この日のさん助師匠はテンション低めではあったけど、これがもっとのりにのってたらますます面白いんだろうな、と思った「元犬」だった。