りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん助ドッポ2020

 10/17(土)、深川江戸資料館小ホールで行われた「さん助ドッポ2020」に行ってきた。
2か月ぶりの落語会。
在宅勤務になって通勤がなくなったことと、あつ森(「あつまれどうぶつの森」というゲーム)にはまって森にこもりっきりになって、すっかり出不精になってしまった。
あんなに落語会や寄席に通っていたのが嘘のように家にこもってゲームして、radikoで深夜ラジオ聞いたりyoutubeでゲーム実況見たりの日々。

こちらの会はコロナで延期になっていたのがようやく開催。さすがにこれに行かないわけにはいかないでしょう。

 

・さん助「十徳」
・おさん「猫と金魚」
・さん助「安兵衛狐」
~仲入り~
・さん助「ねずみ穴」

 

さん助師匠「十徳」
「下足番のさん助です」という挨拶に笑う。
確かにさん助師匠が扉の所にいて開けて出迎えてくれていた。
扉を開けたままにできるストッパーがあったので、これを挟めばいいのに…と思いつつ私はそのまま入ってしまったんだけど、親切なお客さんがそれを設置してくださったらしい。
「私一人ではできませんでした…下足番も満足にできてないですね…」

江戸っ子は宵越しの銭を持たないというまくらから「十徳」。
宵越しの銭を持たないのとこの噺って結びつかなくない?あれ?ほんとは違う噺をしようと思っていて変えたとか?違うかな。

ご隠居がいかにも人が良くてざっくばらんでいい感じ。
「なんで十徳っていうんです?」と聞かれて「知らない」と答えると「だめですよ。ご隠居がそんなんじゃ。あたしとは出来が違うんですから。何か意味があるでしょう?しぼりだして!」と懇願するのがおかしい。

仕方なく隠居が「こじつけだよ」と言って話すのだけれど、全く理解せずに「それでどういう意味なんです?」と繰り返すのも、指を折って「そういうことか!」と納得した様子を見せても、ほんとは分かっていないのでは?という風にも見えるのがさん助師匠らしい。

最初から最後までばかばかしくて楽しかった。

 

おさん師匠「猫と金魚」
さん助師匠は自分の2年先輩で前座を2年ほど一緒にやってとてもお世話になってます、とおさん師匠。

お世話になってますって言っても…まぁあの…いろいろごちそうになりました、と。
で、いろんなお店に食べに行ったんだけど、二人とも全然喋らなくてただ黙々と食べるのであっという間に食べ終わってしまう。
食事の後は喫茶店に入ってコーヒー。喫茶店っていうのはゆっくり飲み物を飲みながら話を楽しむ場所だと思うんですけど、ここでもお互い何もしゃべらず。そしてさん助師匠はコーヒーもせっかちにすぐに飲んでしまうので、そのペースに合わせないといけなくて猫舌の自分は結構きつかった。

そんなまくらから「猫と金魚」。
番頭さんのまぬけぶりがわざとらしくなくてなんともいえずおかしい。
「猫にとって屋根なんてもんは庭みたいなもんだ」と言う主人に「お言葉を返すようですが、屋根は猫にとっても屋根です」と大真面目に返すのも、笑ってしまう。
旦那のたとえ話にいちいち引っかかって言い返すのがおかしいんだけど、その中で「たい焼きにはあんこ」と言われて「クリームもあります」はツボにはまって笑った。

テンポがよくてバカバカしくて楽しかった。

 

さん助師匠「安兵衛狐」
源兵衛がひねくれている自分のことを「いやな性分だな」と言うのが独特。
墓を見ながら酒は案外陽気で楽しそう。
源兵衛に幽霊のおかみさんができたことを知ってうらやましがる安兵衛は確かに「ぐず安」で愚痴っぽい感じ。
安兵衛がお墓に行って狐を捕まえた男に声をかけるあたりからなんか少しテンポが悪くなった感じでなんとなく楽しさが薄まってきたのはなぜだろう。
長屋の連中が怪しがって安兵衛宅を訪ね「お狐様じゃないですか」と言うと、あっという間に狐に戻って出て行ってしまう。
それを聞かされた安兵衛が出会った場所を訪ねて行って再会するんだけど「もどってきてほしい」と言うと首を横に振る狐。安兵衛が諦めて「短い間だったけど楽しい時間だった。ありがとう」と言うのに、ちょっとうるっときてしまった。

 

さん助師匠「ねずみ穴」

店が焼けて商売の元を貸してもらおうと竹次郎が家を訪ねて行った時の兄がもういかにもそういうことを言いそうっていうか、ああ、やっぱりこの兄はそういう人物だったんだなと感じさせる。
さん助師匠、意外とこういう意地の悪い人物が似合う。

もともとあんまり好きな噺じゃないせいもあるけど、全体的にもっさりした印象。
できれば違う噺が聴きたかったな。