りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

来世の記憶

 

来世の記憶 (角川書店単行本)

来世の記憶 (角川書店単行本)

 

 ★★

「あたしの前世は、はっきり言って最悪だった。あたしは、おっさんだった」地球爆発後の近未来。おっさんだったという記憶を持つ「あたし」の親友は、私が前世で殴り殺した妻だった。前世の記憶があるのは私だけ。自分の容姿も、自分が生きてきて得たものすべてが気に入らなかった私は、親友が前世の記憶を思い出すことを恐れている。(「前世の記憶」)「ああもうだめ」私は笑って首を振っている。「うそ、もっとがんばれるでしょ?」「だめ、限界、眠くて」寝ている間に終わった戦争。愛も命も希望も努力も、眠っている間に何もかもが終わっていた。(「眠りの館」)ほか、本書のための書き下ろしを加えた全20篇。その只事でない世界観、圧倒的な美しい文章と表現力により読者を異界へいざない、現実の恐怖へ突き落とす。これぞ世界文学レベルの日本文学。 

 最初は乾いたユーモアや奇想天外だけど妙にリアルな肌触りを楽しく読んでいたんだけど、後半になるにつれ読んでいてしんどくなった。

この繊細さと研ぎ澄まされ方が今の私にはしんどかった。
読書って自分のコンディションによるところが大きいから、コンディションが良くなったらまた読みなおしたい。