りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

餃子のおんがえし

 

餃子のおんがえし

餃子のおんがえし

 

 ★★★★★

食エッセイ界の遅咲きの新星、じろまるいずみの初エッセイ集。

チャーハンにステキなサムシングを入れてしまう母親
グラタンが好きな吸血鬼……
ごはんにまつわるウソみたいなホントの話の数々。
笑えるのになぜかレシピまでついている異色の料理エッセイ!

自ら居酒屋を切り盛りし、飲ん兵衛の舌を肥やしてきた著者が書く、思い出と紐付いた濃厚な食の記憶を軽妙に描いたエッセイは、これまでの「食エッセイスト」とは一味違う、骨太の読み応え。笑える料理エッセイになぜかすべてレシピがついているという形式が特徴的。noteで書かれたものに大幅に書き下ろしを加え、これまで書いてこなかった生い立ちに触れたエッセイも。一方、そのレシピは実用的でありながら、読み物としての強さもあるテキストが魅力。なぜか読むと「できる」気がしてくる、読むだけで自信を持たせてくれるレシピエッセイ。

面白かった~。

食に関するエッセイなんだけど著者の食べることや美味しいものに対する熱と、いろんなことを面白がる人間性が相まって、面白いし読んでいてとっても楽しい。

エッセイの間に盛り込まれているレシピも分かりやすくて美味しそうですぐにやってみたくなるものばかり。

そしてなんといってもタイトルがいいし、きっとこの本が出たのも「餃子のおんがえし」だったんだろうなと思うし、私が出会えたのもそうなんだと思う。

一度目の結婚で実際にされた「嫁いびり」もなんだか笑える。ご本人の危険察知能力と逃げ足が速そうなところも好きだな。