たおやかに輪をえがいて
★★★
風俗に通う夫、不実を隠した父、危険な恋愛に耽る娘…夫の心も、娘の顔も、今は見たくない。結婚20年、主婦・絵里子の人生は穏やかに収束するはずだった。次々つきつけられる思いがけない家族の“真実”。大きな虚無を抱えた絵里子に、再び命を吹き込むのは整形した親友、乳癌を患った老婦、美しい風俗嬢…?人生の中盤、妻でも母でもない新たな道が輝き出す傑作長編。
夫と娘のために献身的に専業主婦をやっていた絵里子が、夫と娘の秘密を知り自分がなによりも大事にしてきた「家族」というのはなんだったんだろう、自分は何か間違ってしまったのだろうかと、自分の人生を見つめなおす。
前半はヒリヒリするくらいリアル。
後半、一人旅のエピソードや自分の母親と語り合うシーンはグッときたけど、絵里子が変わっていくストーリー展開はちょっと安直に感じてしまったなぁ…。安いテレビドラマじゃないんだから。ちょっと残念。