りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

あなたならどうする

 

あなたならどうする (文春文庫)

あなたならどうする (文春文庫)

 

 ★★★★

病院で出会った男と女の行き場のない愛―「時の過ぎゆくままに」。カルト宗教の男を愛してしまった女の悲劇―「あなたならどうする」。冷酷非情に女を乗り換える男の理屈―「うそ」。他に「東京砂漠」「ジョニィへの伝言」など昭和歌謡曲の詞にインスパイアされ生れた9つの短篇。愛も裏切りも全てがここにある。 

 昭和歌謡のタイトルがついた短編集。冒頭に歌詞が載せられているんだけど、知ってる曲は懐かしく、知らない曲は「え?ほんとにこんな歌詞だったの?(凄い歌詞だけど大丈夫?)」とドキッとする。

人生の岐路に立たされた時、逃げ込むようにして恋愛や性愛に走る男女。
次から次へと隙のある女性の生活に入り込みぽいっと捨てる男。

恋愛が生きていく上の単なるスパイスの人もいれば、「運命の出会い」と思い全てを捨てて飛び込んでしまう人もいる。愚かよのう…と思いながらも、自分にも思い当たる節がないわけでもなく、ちょっと胸がちくっとする。