りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

白酒・甚語楼二人会

8/3(火)、お江戸日本橋亭で行われた「白酒・甚語楼二人会」に行ってきた。

 
・あられ「道灌」
・白酒 「平林 」
・甚語楼「佃祭 」
~仲入り~
・甚語楼 「粗忽の釘
・白酒 「船徳
 

白酒師匠「平林」
オリンピックや警備のため地方から集められた警官、さらに友だちで警察官になった人のこと…白酒師匠らしい毒を交えた話に大笑い。あー楽しい。
「我々噺家が楽屋話で一番好きなのが、誰が誰をしくじったらしいよ、という話です。最近聞いて一番好きだったのが、前座の〇〇くんが席亭をしくじったという話」。
〇〇くんは私が今一番好きな前座さん!
〇〇くんがタップシューズを普段履きにしていてその音のうるささに席亭が怒ったらしい。
「なんでタップシューズを普段履きに?」と尋ねると「あの…安かったので…」。
いったいどこの店に行けばタップシューズを安売りしているんだ?そんな店見たことない!
さらに安かったからといって買ってそれを普段履きにするとは?
階段を上り下りするたびにかちゃかちゃかちゃかちゃいわせていたのかと思うと、もうおかしくておかしくて、と。
…いやぁ、さすがだ。〇〇さん。大好きすぎる。その話を聞いて、めちゃくちゃ彼に会いたくなったわ…。なんの会に行けば高座を聴くことができるだろう?やっぱり一門の会かな?
 
そんなまくらから「平林」。
こんな面白くない噺が白酒師匠にかかるともうずっと笑いっぱなしの噺になる。
定吉のおっちょこちょいぶりが徹底しているのでめちゃくちゃ面白い。
そしてやっぱりテンポ、なのかなぁ。
警官に信号の前で止められて「平林」が吹っ飛んでしまうところで、ああ、だからまくらで警察官の話をしたのかーと気づく。
楽しかった。
 
甚語楼師匠「佃祭 」
船着き場で引き止められるところから。
次郎兵衛さんの人のよさや船宿の夫婦の善良さがにじみ出ている。
次郎兵衛さんが死んだと思い込んだ人たちのドタバタや、胸を打つ与太郎のお悔やみの言葉…と、しつこくないけど要所要所できゅっと心をつかまれる。
うーん…。やっぱり甚語楼師匠の落語はかっこいいな…。
素敵だった。
 
甚語楼師匠「粗忽の釘
昔の洗濯機は二層式で洗濯が終わると今度は脱水の方に入れなおしてやらないといけなかったりしましたけど、今のはほんとに最初から最後まで自動でやってくれるようになりましたね」と 甚語楼師匠。
 
我が家の洗濯機も洗濯物を入れてスイッチを押せば自動で洗剤を入れてくれてすすぎの時には柔軟剤を入れてくれて脱水まで勝手にやってくれる。
でも自動で洗剤を入れるといってもそこに洗剤を入れるのは人間がやるわけで…私この間気づいちゃったんです。この洗剤の目盛りがいつ見ても1/3のところにあるということに。
そして私はそこに一度も洗剤を入れてないことに。
それでかみさんに聞いたんですね。「お前、ここに洗剤入れてる?」って。そうしたらかみさんも「入れたことないよ」って。
…要するに目盛りが壊れていて常に1/3を指していたからお互いに気づかずに相手が補充してくれてると思って入れてなかった。
ということは…、うちでは2年ぐらい、洗濯のつもりでずっとすすぎをしていたんですっ!!
 
…ぶわははははは。
もうおかしくておかしくて今も思い出すと笑ってしまう。本当に甚語楼師匠の話って面白い。大好き。
そんなまくらから「粗忽の釘」。
洗濯のつもりでずっと水ですすいでた甚語楼師匠とおっちょこちょいの亭主が一体化して二倍おかしい。
ものすごいずっと間違え続けているんだけど明るくて堂々としてるから説得力があるのが面白い。楽しかった~。
 
白酒師匠「船徳
テンポがよくて気持ちいい。
しばらくぶりに落語を聞いて白酒師匠の落語が今の自分にマッチしていると感じたのはこのテンポの良さが心地いいからなのかもしれない。
音楽のように落語を奏でてる…だれるところはスピードを速めて、笑いどころはたっぷりと。でもそれが暑苦しくない程のよさ。
 
白酒師匠の徳さんはわがまま言っても何してもかわいい。ぷりぷり怒るのもかわいい。
そして動きがきびきびしていて気持ちいい。
「どうして船頭なんですか」と聞かれた徳さんが「季節を肌で感じたいから」と答えたの、面白かった~。