りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

デッドライン

 

デッドライン

デッドライン

  • 作者:千葉 雅也
  • 発売日: 2019/11/27
  • メディア: 単行本
 

 ★★★★

 修士論文のデッドラインが迫るなか、「動物になること」と「女性になること」の線上で煩悶する大学院生の「僕」。高校以来の親友との夜のドライブ、家族への愛情とわだかまり、東西思想の淵を渡る恩師と若き学徒たる友人たち、そして、闇の中を回遊する魚のような男たちとの行きずりの出会い―。21世紀初めの東京を舞台にかけがえのない日々を描く話題沸騰のデビュー作。第41回野間文芸新人賞受賞、気鋭の哲学者の初小説。

主人公は大学院で哲学を学び修士論文に苦しみ、友人と映画を撮り音楽を作り、夜毎性交をする相手を求めてハッテン場をさまよう。

自分と他者との境界や差異を考え自分は何を「言祝ぐ」のだろうかと思考する「僕」と、友人たちと映画を撮ったり音楽を聞いたり家でリラックスする「僕」と、男を漁る「僕」。

慣れ親しんでいる「小説」とは違う回路で進んでいくような…不思議な感覚。
哲学的なのか敢えて物語らしさをそぎ落としたのか正直私にはよく分からない部分もあったけれど、面白かった。

これはゲイの人たちにとったらリアルな小説なんだろうか?