りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

紀伊国屋寄席

1/29(水)、紀伊国屋寄席に行ってきた。
 
・歌つを「たらちね」
・一花「黄金の大黒」
・さん助「今戸の狐」
・金馬「試し酒」
~仲入り~
・正楽 紙切り
・一朝「藪入り」
 
さん助師匠「今戸の狐」
今から申し上げる「今戸の狐」という噺は三大噺。
三大噺っていうのはとても難しくて、お題をねじこむだけじゃだめで、どれか一つをサゲに使わないといけない。大変な力量が必要です。
実は私も…小さな落語会で毎月三大噺にチャレンジしているんですが、これがとても大変で。
この間もそちらの会でお客さんから出されたお題が「初雪」「赤羽」「麒麟がくる」。
もう困り果てまして…。
 
…うおおお。この間の駒込の会の時の話してる!なんか珍しい!
というか、三題噺だったの?これ?へー。
 
そんなまくらから「今戸の狐」。
駒込で見た時よりすっきりしたかな、という印象はありつつも、やっぱり少しわかりにくい噺なのかなぁ、という感じは否めず…。
でも良助のキャラクターがなんかさん助師匠にぴったりだし、あと妙に色っぽい小間物屋の女房も面白いし、私は好きだなー。
前座の大変さをあれこれ語りながらも良助自身は「お前は年だから」と師匠に免除してもらってるっていうの、面白い。
あとやくざ者と良助の会話がまるでかみ合ってないのに、良助が得意になって自分の狐を見せるところも好き。
楽しかった。
 
金馬師匠「試し酒」
この間寄席で見た時は座ることが出来なくて立って話をされていたけど、今日はいったん幕が下がって釈台を前にしての高座。
以前に比べると少し喋りにくそうなところもあるけれど、矍鑠としていてほんとに素晴らしい。
お酒を飲みながらほんとに顔がどんどん赤くなってくるのはなぜ?
豪快で楽しい「試し酒」。よかったー!
 
正楽師匠 紙切り
この日出たお題が「豆まき」「志ん生師匠」「金馬師匠」「つかこうへい」「チコちゃんに叱られる」「同窓会」。
金馬師匠はまさに「試し酒」をやっている金馬師匠。釈台があって扇子を大きく広げてお酒を飲んでるところ。
「同窓会」のお題には「同窓会っていってもいろんなのがありますよね。卒業してすぐの同窓会もあれば何十年も経ってからの同窓会も…。何十年も、の方ですね?そうだと思いました」と言って、老人たちが楽しそうに立食で飲んだり喋ったりしているところ。(ほんとに楽しそうな様子がうかがえたのすごい!)
 
「つかこうへい」のお題には「え?つかこうへい?ああ…このホールでいろんなお芝居をね…されてましたもんね…どうしよう…ほんとにわからない…でも初めてのお題って…ワクワクする…わくわく…できないとは言わないんです、切るんだ…俺は切るんだ!」
出来上がった作品も素晴らしくて感動ーー。素晴らしかった。
 
一朝師匠「藪入り」
くまさんのチャーミングなこと!
「なぁおっかぁ」と何度も何度も話しかけておかみさんが「もううるさいよ!」という、この二人の会話がとても自然であったかい。
帰って来たかめちゃんもきちんとはしているけどとても子供らしくてかわいい。
かめちゃんの顔を見ることもできずやくざ者みたいな言葉になるくまさんもチャーミング。
おかみさんがお金を見つけてくまさんに言って、くまさんが「あのやろう」となるところ、そういう性格がわかるから、見ていて不自然な感じがないし、真相がわかってけろっと謝るところもいいなぁ。
手紙のところ、かめちゃんとの会話で涙涙。
とても素敵な「藪入り」だった。私の中でベストかもしれない。