りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第一回 una cafe(さん助師匠のオンライン落語会)

4/29(水)、「第一回 una cafe(さん助師匠のオンライン落語会)」に参加した。


・さん助師匠&unaさま トーク
・さん助師匠「五月幟


さん助師匠&unaさま トーク 
前回同様15時半開場、16時開演の予定で、unaさまが前回の反省を生かして注意事項を画面共有してくれたり、画面のピン留めの説明など。
「音聞こえてるよー」などのコール&レスポンスなどしていると、画面上でunaさんが「え?出る?え?この間は頑なに時間まで映らなかったのに?え?」。
なんとここでさん助師匠登場。

今回は海外のカフェのバーチャル背景。これはどうやらさん助師匠がこだわったらしい。
「una cafe」だけどさん助師匠としてはカフェではなく純喫茶でいきたかったのかな? 
バーチャル背景で二人が画面に並ぶと時々「人」が消えるのは、AIが処理しきれないのか。
自分もバーチャル背景にしてるんだけど肩のあたりが一瞬消えたりして、なんとなく「電波少年」を思い出したり。

4月2日に池袋演芸場でやって以来、人前で一度も落語をやっていないというさん助師匠。
おそらく4月に入ってからは大小問わず落語会は一つも開催されてないのではないか。

戦時中でも寄席は開いていて空襲警報が鳴ると防空壕へ避難したというくらいだからまさに前代未聞の事態。
でも調べたら百年前に日本でもスペイン風邪が流行って10万人が亡くなっていてその時には寄席は休みになった、と。
その時に噺家はいったいどうやって過ごしていたのか、それが知りたい。
当時はネットなんかなかったわけだから今みたいにオンライン落語会とかできなかったはず。それでも落語はこうして今まで残ったんだから…。
いやでも今回のことで落語のあり様も変わらざるをえないかもしれません。
オンライン配信とか距離を保つとか…。

…そうだよなぁ。いったいこの状態がいつ収まるのか分からないけど、でも今までみたいに会場に入れられるだけ客を入れて…とか、そういうのは減るのかもしれない。ウィルスが完全にゼロになることはないだろうから。

そんな話からunaさまが「最近何をやってるんですか」と質問。
「ええと…あしたのジョー見てます」
「は?」
あしたのジョーが…期間限定で無料で見られるんです」
「え?あしたのジョー…」
あしたのジョーってどういうイメージ持ってますか?」
「イメージって言われても…”立つんだジョー!”…ぐらいですかね」
「根性!って思ってません?」
「は?」
「根性物っていうイメージじゃないですか」
「あ、ああ…そうですね」
「違うんですよ、これが意外と。なにせ10回目まではジョーはボクサーじゃないんです。それが刑務所で力石と出会ってボクシングをやることになるんです」
「力石?いましたね、そういうひと。力石は最初からボクサーなんですか」
「そうです。力石はボクサー。ジョーは不良で…盗みをやって刑務所に入るんです。そこで力石と出会って…。ああ…なんか面白いですね。こうやって話してると…(画面を見て)お客さんがどんどん引いていってるのがわかります…」

…ぶわははは。そんなことないよ。面白い。でもなにせさん助師匠が説明下手で(笑)。

じゃそろそろ落語を…ということで高座へ移動。
高座になるとバーチャル背景はやめて…いつものuna gallery。おお、ここでやっていたのか。なるほど。

さん助師匠「五月幟
酔っぱらって帰って来たくまさん。
「またお前さんそんなに飲んで」
「いやまぁそう言うなよ」
「あのね、今年は坊の初節句なんだよ。それなのにお前さんはお酒ばっかり飲んで。坊にお祝いもしてやれないじゃないか。それでおじさんが可哀そうに思って”これで坊に人形を買ってやれ”ってお金をくれたんだよ。だからあたしは今から買いに行ってくる」
おかみさんからそう言われたくまさん。
「人形は俺が買いに行くよ」
「いやだよ。お前さんにお金を渡したらまた飲んで来ちゃうじゃないか」
「いくら俺だって坊に買う人形のお金で飲んだりしないよ。こういう買い物は女が行くと足元を見られるから男の俺が行ってくる」

力強く言って出て行ったくまさん。
しかし近所の店から弟分が「ああ、兄い、いいところに来てくれた。頼むよ上がってくれよ」と声をかけられる。
断り切れずに上がるとそこには若い連中が大勢。
つられて酒を飲むとすっかり気が大きくなり「ここは俺のおごりだ」と言って人形を買うお金を全部使い果たしてしまう。

酔っぱらって帰ったくまさんにおかみさんは「ほらやっぱりお前さんったら」と怒り沸騰。
くまさんは二階に上がって寝てしまう。
そこにおじさんが訪ねてきてくまさんに説教をするのだが、おじさんの言葉にいちいち洒落で返すくまさん。
おじさんも思わず「お前、うまいな」と笑ってしまう。

そこへ先ほどの若い連中が訪ねてきて「さっきは兄いにたかるようなことをしてすまなかった」と謝る。
家に帰ってそれぞれのおかみさんに「その金は坊の人形を買うお金だったんだよ」と言われ、みんなでお金を出し合って人形を買ってきた、と。それがサゲにつながっていて、面白かった!

…前にもさん助師匠で聴いたことがある!と思っていたら、その後のトークで「これは春風亭柳枝師匠がやられていた噺で…今はほとんど誰もやらないんじゃないですかね」とさん助師匠。
さん助師匠は柳枝師匠の元お弟子さん(?と言ってたような)から承諾を得てやっている、とのこと。
さらに、本当はおじさんとの洒落合戦で終わりなんだけど、それじゃあまりにも可哀そうだと思って、近所の連中が人形を買って持ってくる、というのを付け足した、と。

「余計なこと…だったかもしれないんですが、このままだとあまりにも可哀そうで」。

…そうだなー。この展開の方が後味がよくていいよ!

オンライン落語はどこを見ていいかわからなくて…とおっしゃっていたさん助師匠だったけど、全然大丈夫だったのでその調子その調子(←何様)。
次回は5/9とのこと。わーい。