りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭3月中席夜の部

3/16(月)、末廣亭3月中席夜の部に行ってきた。
 
・小さん「替り目」
小満ん「時そば
~仲入り~
・こみち「壺算」
米粒写経 漫才
・きく麿「お餅」
・一朝「看板の一」
・正楽 紙切り
・文蔵「猫の災難」
 
小満ん師匠「時そば
最初の男が食べるそばの美味しそうなこと。次々飛び出すお世辞もこざっぱりしているからわざとらしさよりも粋を感じる。
二番目の男の次々うまくいかないところも、さらっとしていてなんか楽しい。
二杯目を食べられない言い訳に「うまいそばを食ってきちゃったんだ」には大笑い。
楽しかった!
 
こみち師匠「壺算」
私の夢は落語会の上沼恵美子さんになることです、とこみち師匠。
そんな上沼リスペクトのこみち師匠が上沼さんみたいな女性が出てくる「壺算」を。
いやもうこれがほんとにびっくり。こみち師匠、いつのまにこんな技を身に付けました?
買い物に送り出すおかみさんも結構なもんだったけど、買い物をお願いする根岸律子さんが迫力があるといおうか、説得力があるといおうか、とても逆らえないわこれじゃ(笑)。
でもなんかきれいなんだな。押しつけがましくない。芸がきれいだから全然嫌味がない。強烈なんだけどきれい。
私のこみちちゃんがこんなことになっているとは! 
って「私の」言う割にしばらく見に行ってなかったからこんなに驚いているんだけど。
いやぁ笑った笑った。めちゃくちゃ楽しかった。こみち師匠、すごい。
 
きく麿師匠「お餅」
老人ホームのまくらから、なんと「お餅」。
これをぶっこんできますか!ぬおおお。
二人の老人の「お餅」についてのかみ合わない会話が何度か繰り返しているうちにじわじわおかしくなってくる。
そしてこの二人の距離感。会話がお互いに手探りな感じが独特の空気を醸し出してる。
テンション上がった吉田さん(の方だったか?)が美味しさを彦摩呂風味な比喩で表現すると、もう片方が容赦なく否定するおかしさ。
そして会話の最初に名前が挙がっていた老人が参戦してきてからの爆発的なおかしさったら。
前半、ん?ん?ってとまどいがちだった客席がぶわーーーっと盛り上がって行くこの空気がたまらなかった。
最高。
 
一朝師匠「看板の一」
「この後、やりにくいんだぁ」という一朝師匠の第一声に大笑い。一朝師匠でもそうなの?!
気を取り直して…と「看板の一」。
迫力のある親分。そんな親分にちょっと腰が引けながらも隙あり!と思ったら食らいつく江戸っ子のたわいのなさ。
いいなぁ、やってみよ!という男の能天気ぶりも楽しい。
カラッと気持ちのいい「看板の一」だった。
 
文蔵師匠「猫の皿」
くまさんのお酒にこがれる姿がとってもリアルで笑ってしまう。
鯛の頭と尻尾を棄てようとする隣のおかみさんに声をかけて「鯛は捨てるところのない魚だよ」というのは、日ごろ料理をされる文蔵師匠らしいセリフでいいなぁ。
訪ねて来た兄貴分がちょっとこわもて(笑)だから、最初に「猫のお余りをもらった」と言いそびれた気持ちがよくわかる。そりゃ言えないわ。
鯛を買いに出かけた兄貴分がいない間に「お毒見」と言って酒を飲んでしまうのも、最初の焦がれる姿を見ていただけに説得力がある。
飲んでどんどん気が大きくなっていくのも楽しいし、「じょうろ」が見つからないことへの愚痴もすごくおかしかった。
悪事がバレても、ボカン!とやってまた酒に買いに行きそうだな、この兄貴。と思ったら、すごくおかしかった。
 
こんな時でも開けてくれてる寄席に感謝。
仲入りの時に換気と消毒をしてくださったのもありがたかった。