りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ブリージング・レッスン

 

ブリージング・レッスン (文春文庫)

ブリージング・レッスン (文春文庫)

 

 ★★★★★

 周りの人の幸せを願うあまり、ついお節介をやいては話をややこしくしてしまうマギー。結婚28年目を迎える夫アイラと、ある日友人の葬式のため車で出かけていく。普通の人々のなんでもない日常を描いているのに、読みはじめるとわくわく、しみじみおかしくて少しほろ苦い珠玉の一作。ピュリツァー賞受賞作。

大好きなアンタイラー。久しぶりの再読。

マギーもアイラも好感を持てる人物ではないのに、読んでいて、ああその気持ちわかると共感したり、ぎゅっと抱き締めたくなる瞬間がある。

相手に悪くとられる言動も、実は善意から出たものだったり、自分が引きずってきた過去のせいだったりする。
喧嘩ばかりしていがみ合ってるように見える夫婦も深いところでお互いを思いあっていたりする。

どうでもいいような一日を描いているに、おかしくて悲しくて。
そうだ、アンタイラーってそうだった。何気ない描写がすごくユーモラスでおかしいのだ。
笑ったり涙ぐんだりしながら読んで、読んでいる間ずっと幸せだった。