りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

勧之助の会

7/8(水)、らくごカフェで行われた「勧之助の会」に行ってきた。

 
・ 勧之助「夏泥」
・ 勧之助「やかんなめ」
~仲入り~
・ 勧之助「ちりとてちん
 
勧之助師匠「夏泥」
今日こそ江戸前に3席やりますよ、と勧之助師匠 。
そう言われても、勘之助師匠はトークがとっても楽しいのでこの師匠の場合はトークが長くなりすぎて落語の時間が短くなっても全然OKという気持ち。多分来ているお客さんはみんな同じ気持ち。その空気を察したのか「とはいうものの、今日はトークだけで終わっても許してもらえそうな雰囲気ですね」に笑う。
 
一門でzoom飲み会をした話。師匠が新しもの好きなのでお中元で一門全員集まるのはやめにした代わりに一門zoom飲みをしよう、と。
そんなん面白いんかい!と思っていたけど、師匠の言葉には逆らえない。
スマホにアプリを入れて使い方を弟弟子に教わって…師匠から送られてきたidとパスワードを入れてどうにか参加。
しかし参加人数が12名と多かったのと、PC画面ならわりと大勢を画面に移すこともできるらしいんだけどスマホだと基本発言している人しか見られない。
そうなると会を回している師匠と指名された人しか映らず…。もともと無口なおさん師匠なんか一度も映らない。
師匠が気を使って一人一人に近況を聞いてくれたんだけど、その時にようやく映ったおさん師匠。それが窓の前に座っているんだけど思いっきり逆光なので本人が真っ黒いシルエット…。お前…なんでシルエットなんや!!と思ったらおかしくてしょうがなかった、と。
 
…ああ、逆光になってるおさん師匠が目に浮かんでくる…。そして時々発する声がおさん師匠にそっくりで大笑い。
 なんだろう。トークも自由に話しているようでいてちゃんと落語になっているのがすごい。計算して作ってるっていうわけじゃないんだろうけどすごいな。この方、ラジオに向いてる気がする。  
 
そんなまくらから「夏泥」。
家にいる男のふてぶてしさ。ワルっぽい感じ。
泥棒は気弱でまじめ。
会話をしているうちにどんどんお金を出しちゃう。
「おれ…おかず食いなんだよ」と言われた時は「そうだよね。おかずも食べないとね」。
軽くてバカバカしくて楽しかった。
 
勧之助師匠「やかんなめ」
教わったものの自分には合わないわと思って寝かせていた噺とのこと。
癪のあい薬のまくらで「男の下帯」と言った後に「これってプレイでしょ?プレイですよね?男のふんどしできりりと締め付けると癪が治まるって。たまたま男のSと女のMが一致したってことですよね?」
おかみさんのあい薬が「やかん」には「いや…ないっしょ!!やかんをなめると癪が治まるって。ありえないっしょ。この噺、前提がそもそもファンタジーっしょ!」
 
…ぶわはははは。
自分で稽古していてどうしてもその突込みが出てきてしまって「この噺…合わない」と思ったのかな。
いやしかしこれがとっても楽しかったのだ。
侍に威厳があって…でも優しさと人柄の良さがにじみ出ていてチャーミング。
あと女中二人が女らしくて女主人を思う優しさと純朴さがあって。
合う合わないでいうととても合う噺のように感じた。
やっぱりこれって品がないとなんか見ていられないんだよね…。  
 
勧之助師匠「ちりとてちん
ちりとてちんを食べようとしてあまりの臭さにうわっと皿を遠ざけたときに「これが基本の形」と言ったのがツボにはまって大爆笑。  
こういう噺はきっと好きなんだろうなー。
もうやっていて楽しい~!というのが伝わってきた。面白かった。