りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

アナザーベース落語会vol.11

2/16(土)、Another Base たまプラーザで行われた「アナザーベース落語会vol.11 」に行ってきた。


・勧之助「宿屋の富」
~仲入り~
・勧之助「寝床」


勧之助師匠「宿屋の富」
真打になる時に付けた「勧之助」という名前についてあれこれたっぷりと。
私は勧之助師匠のtwitterが大好きなんだけど、ふざけながらもすごく熱い人なんだろうなと思っていて、やっぱりそうなんだなと思った。
自分のなかで「こうありたい」という芯がある感じ。それを表に出さないようにしてるけど時々透けて見える。そこに魅力を感じる。

自分は真打になったばかりだけど、こちらの会はニツ目を中心に定期的に行われている会で、こういう会に来て下さるお客様というのは、本格的な名人の落語を聞きたくて来ているわけじゃない。だって名人の落語を聞きたければ小三治師匠の落語会に行けばいいのだから。わざわざこういう会にいらっしゃるのは、若手を応援したいという気持ちやまだ未熟だけど時々いい高座に当たることがあるからひょっとして今度こそそれが見られるのでは?という博打をうつような気持ちがあるに違いない。そういう意味では宝くじを買うのと同じような気持ちなのかも。
そんなまくらから「宿屋の富」。

泊まった男がちょっと年を取ってるイメージ。確かに大旦那風?
ばかばかしいくらいのホラにいちいち感心する宿屋の主人。
湯島天神での若い連中のワイワイガヤガヤの楽しさ。特に自分は二番富が当たると信じ切っている男が登場するときに「ほぇーーー」と声にならないような声をあげているのがなんともいえずばかばかしくて大笑いしちゃった。
楽しかった。


勧之助師匠「寝床」
二席目は大好きな噺を、と「寝床」。
繁蔵と旦那の会話がたまらなくおかしい。なんか会話しているこの二人の顔が近い!それがすごくおかしい。
繁蔵が「提灯や」の言い訳に「急な祭りがあって提灯をたくさん作らなければならなくなって」と言うと旦那が「急な祭り?祭りっていうのは急にやるものかい?」。
豆腐屋」の言い訳でも「急な法事が入って」「法事も急にやるものかい?あらかじめ日取りを決めてやるんじゃないのかい?」。
…たしかに!と思って笑った笑った。
話しを聞いているうちに旦那の方が「おかしい」と思い始めて、ツッコミを入れたり、二人の攻防が激しくなっていくのがおかしい。

最後に「お前はどうなんだ」と聞かれた繁蔵が覚悟を決める場面もはっちゃけていておかしい~。
張り切っていた頃の旦那の声慣らしは「うぉーーうぉーー」と激しかったのが、お客が来ないと聞いて「ふぇん…」としょんぼりするのもおかしい。

勧之助師匠ってきれいな芸なので時々こういう風に「壊れる」と、そのギャップに驚いてすごく笑えるんだな。

大好きというだけのことはあって独自な面白さの詰まった「寝床」だったなー。面白かった。