りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

三遊亭萬橘独演会「つきつきまんきつ」第39回

12/6(水)、道楽亭で行われた三遊亭萬橘独演会「つきつきまんきつ」第39回に行ってきた。

 

・まん坊「出来心」(前半)
・萬橘「尿瓶」
・萬橘「粗忽の釘
~仲入り~
・萬橘 質問コーナー
・萬橘「不動坊」


萬橘師匠「尿瓶」
アウェイな会で子どもに生意気なつっこみをされたまくらから「尿瓶」。
侍に威厳があるだけに、尿瓶に花を生けるところがすごく面白い。
本屋さんがそれに気づいて教えてあげるところもすごくきちんとしていてなんかちょっと感動した。
萬橘師匠って噺を独自に変えたりするけど、それが全然噺の邪魔になっていなくてそこらへんのセンスがすごいなぁと思っていたんだけど、小さい会場で見ていると、すみずみまで結構心を配っているのがわかるなぁ。

萬橘師匠「粗忽の釘
最初から最後までばかばかしくてすごく楽しい。
タンスを持ち上げるところ、顔が妙に笑った感じになるのがすっごくおかしくて大爆笑。
こういう聞き飽きた噺でこれだけ笑わせられるってやっぱりすごいな。


萬橘師匠 質問コーナー
仲入りで集めた質問に萬橘師匠が一つ一つ丁寧に答える。
いやぁ…萬橘師匠ってすごくまじめな人なんだな…。ポッドキャスト聞いたり、天どん師匠との会を見たりしていると、なんかめんどくさいだけの人みたいに思うけど、そんなことないんだ。ちょっとびっくり。

私の質問、「末廣亭はどうでしたか」に対して、「あそこはやっぱり特別な場所。伝統というだけじゃない…なにか特別なものがある空間」「自分は代演で出させてもらってるから…その場合はとにかく絶対ウケなきゃいけない。ウケて沸かせる義務がある」「そうじゃなく自分のホームとしてあの場所でやってみたい、と出るたびに感じる」と。

なんかすごくよくわかるし、まじめさというか真摯というか…ちょっとじーんとした。

あと「まくらはどうやってきめるのか」という質問に、会によって自分が求められている立ち位置とかお客さんからどう見られているかというのによって決めている、というのが印象的だった。

「今後サゲを変えてやりたい噺はありますか」という質問に、「サゲを敢えて変えようと思ってやっているわけではなくて、噺を壊さないで噺の面白さがよりわかりやすく伝わるようにしたいということを常に考えていて、その流れでサゲを変えている」。
うーん。なるほど。すごくいろいろ考えてる人だなー。
誰かと一緒の会だと結構「めんどくさい人」に見えるけど…そして本人もそれを期待されていると思ってあえてそうしているような感じもあるけど…自分一人の会だとこんなに率直に話をしてくれる人なんだ。なんかすごく新鮮。

 

萬橘師匠「不動坊」
すごくドキっとしたのが、まくらで「噺家っていう職業は、自分で常にトレーニング(稽古)をしてないといけない。とても特殊な職業。自由といえばとても自由だけど不自由にもなりうる。どうしたら不自由になるかといえば、人をやっかむと途端に不自由になる。だから人をやっかんじゃいけない。それはとても難しいことだけど、やっかみだすととても不自由になる、そんな仕事」。
うわーーー、なんか面白いなぁ。そういうことを考えているのか。なんかもっといろんな話を聞いてみたくなるなぁ。
そんなまくらから「不動坊」。ひぃー。また不動坊だー。私はなんて「不動坊」に当たりやすいんだろう…。
なにせ私はいつも南なん師匠の「不動坊」を聞いているから、誰のを聞いても長いなぁ…無駄が多いなぁと思ってしまう。
特にこの日は仲入りの時点ですでにほぼ2時間。さらに質問コーナーも丁寧にこたえていて時間がかかっていたので、聞いているこちらがちょっと電池切れ。