りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭8月中席昼の部

8/11(木)、末廣亭8月中席昼の部に行ってきた。

・かん橋「寿限無
・夏丸「つる」
・章司 江戸売り声
・柏枝「猫と金魚」
・夢丸「味噌豆」
・ひでや・やすこ 漫才
・伝枝「壺算」
・歌助「桃太郎」
・真理 漫談
・昇之進「取り調べ中」
・紫「出世の馬揃い」
東京ボーイズ ボーイズ
・南なん「不動坊」
~仲入り~
・可楽「景清」
・喜楽・喜乃 太神楽
柳橋「替わり目」
・アロハマンダラーズ 大喜利ハワイアン

夏丸さん「つる」
間に昭和歌謡をたっぷり歌ったりしてサービス満点の「つる」。
オスの鶴がつーーーっときてぽんと止まって、メスの鶴がるーーーっと飛んでくるっていうところでどっと笑いが起こったのを久しぶりに見た気がする。
体全体を使って長い腕をすーっと動かすから立体感が出て鶴が飛んでくる様子が浮かんでくる。所作ってすごく大事なんだなぁ。
あと隠居さんの「面白いことを言うぞ」という表情と間で笑った。
いつ聞いても面白くない噺だなぁと思ってしまう「つる」なのだが、久しぶりに面白かった。

 

柏枝師匠「猫と金魚」
この間上野広小路亭で見てから好きになったこの師匠。
淡々としてるのに不意打ちで面白いからぶわはっ!!と笑ってしまう。
番頭さんをとにかく気の利かないおっちょこちょいに描く噺家さんも多いけれど、柏枝師匠の場合は主人と番頭の仲が最初からこじれていて、番頭がムキになっておかしな行動をとってしまっている。面白い。
最後までやらず、猫が金魚鉢に手を突っ込んでいる、というところでまたアッと驚くようなサゲ。
なんじゃこりゃー。
ますますこの師匠のことが気になってきた!

夢丸師匠「味噌豆」
出てきただけでぱーーーっと高座が明るくなって思わずにこにこしてしまう。ほんとに夢丸さんは太陽のような人だ。

幼稚園寄席のまくら。
先生から「所作の説明をお願いします」と言われてやるのだが子供は3分もすると飽きてしまう。
飽きたときの第一段階が足がぷらぷらしだす。自分はこれを初期微動と呼んでいる、に大笑い。
第二段階で頭がゆらゆら。
第三段階で「つまんない!」と先生に言いつける。こうなったらおしまいです。こうなる前に手を打たないと。

たっぷりのまくらから「味噌豆」。
夢丸師匠の定吉はほんとにかわいい。かわいいからブラックなことを言ってもそれが全然嫌味にならない
豆を食べ始めて止まらなくなってどんどん食べ方が激しくなるのがめちゃくちゃ面白い。
トイレのドアを閉める音がすごく丁寧なのもアクセントになっていて、すばらしい!
ほんとに楽しい「味噌豆」だった。

東京ボーイズ ボーイズ
何度も見ているけどいつ見ても楽しくて大好き。
謎かけ問答で必ず新しいネタを入れてくれるのも嬉しいし、テッパンネタはいつ聞いても笑える。
特に菅六郎先生がかわいくてたまらん!

南なん師匠「不動坊」
楽しかった!
南なん師匠の「不動坊」は前に末廣亭で一度見たことがあるんだけど、その時より格段面白かった!お客さんと波長がぴったり合う感じで気持ちいい~。

あこがれのおたきさんとの結婚を大家さんから言い出されて浮かれる吉さん。
嬉しくて鉄瓶を持ってお湯屋に行きそうになったり、湯屋番にのろけを言ったり。
お風呂の中での妄想も、「熱いって言ってるよ」「まだ埋まらないってよ」とほかの客が声をかけるタイミングが絶妙ですごく楽しい。
嫉妬して幽霊を出そうと相談する3人組も情けなくて楽しい。
幽霊役の前座がいかにもまぬけで調子が良くて出てきただけで笑ってしまう。

屋根の上でのやりとりも、バカ呼ばわりされたまんさんが「お前らだってバカじゃねぇかよ。そうじゃなかったら幽霊出そうなんて考えるかよ」と言うのがおかしくて大笑い。
幽霊役をやりながらもいちいち「なんで(出てるん)でしたっけ?」「そうなんですか。ちっとも知らなかったもんですから」と反応する前座がおかしい。

登場人物それぞれが生き生きしていて楽しい「不動坊」だった。
満足!

可楽師匠「景清」
寄席には仕事で来てるんじゃない、リハビリで来ている、と言う可楽師匠。
目が悪くなって片目は全く見えず、もう片方はぼんやりとだけ見える、と。
子供のころから目が悪い人は勘がいい。若いころに目が悪くなった人は体力がある。自分は年をとってから目が悪くなったので勘も悪ければ体力もなくて最悪。
今は外出する時にはヘルパーさんに付き添ってきてもらっている。そうしないとどこにも出られない。

そんなまくらから「景清」。
「おもしろい噺じゃないですよ」の言葉通り、淡々とした展開にそれまで陽気だった客席が静まり返る。
だけど決して陰気ではなくて、投げやりのようだけど負けん気が強くてちょっとひねくれ者の定さんのキャラクターが、可楽師匠とも重なってもうなんともいえない気持ちに。真に迫るとはまさにこのこと。
なんかすごいものを見たなぁという気持ちでいっぱいだった。

アロハマンダラーズ ハワイアン
新メンバー夏丸さんが波の音をやったりマラカスを振ったり自慢ののどを聞かせてくれたりと大活躍。
小柳枝師匠がいらっしゃらないのは寂しかったけど、可楽師匠と夏丸さんのデュエットも聴けて楽しかった!