りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小助六&夢丸 リレー落語会 三味線づくし篇

1/28(日)、日暮里サニーホールで行われた「小助六&夢丸 リレー落語会 三味線づくし篇」に行ってきた。

 

・音助「転宅」
・小助六「掛け取り」
・夢丸「稽古屋」
~仲入り~
・優子 櫓太鼓
・夢丸「豊竹屋」
・小助六「親子茶屋」


音助さん「転宅」
音助さんの「転宅」はニツ目になりたての頃に見たことがあるけれど、その時よりぐっと楽しくなっていた。
テンポがいいのと、泥棒のおっちょこちょいとお菊さんのこなれ具合の対比が楽しく、くすくす笑ってしまう。
音助さんって前座の頃から上手できれいな落語をする人だなぁ…という印象だったけど、最近音助さんのカラーが出てきたような気がする。
「できる人」の印象が強いけど案外とぼけていて天然っぽい一面もちらり。おもしろい!


助六師匠「掛け取り」
大雪の日に末廣亭で〇楽師匠も出番があって、13人のお客さんの前で高座をつとめられていて、そういうことがあるとなんとなく仲間意識のようなものが生まれる。
楽屋仲間が小助六師匠の自宅が遠いことをからかうので冗談で「女のところに泊まるから」と言ったら、〇楽師匠が同じセリフを言って場が凍り付いた、というのに笑う。ぶわははは。

そんなまくらから「掛け取り」。
これって歌とか歌舞伎とか物まねとかがうまい人がこれもんでやる噺というイメージが強いけど、小助六師匠は確かに歌舞伎のしぐさとかとてもきれいでしなやかだったけど、「これもん」なところが全然なくてさらりとしていてよかった~。
助六師匠の軽やかなところが好きだなぁ。私の嫌いなタイプの落語の対極だなといつも思う。


夢丸師匠「稽古屋」
三味線が入る噺とくればやはり「稽古屋」なのかなー。
この噺もなんか踊りに自信がある人がこれもんでやるイメージ。私の場合はこみちさんのイメージが大きいかな。ってこみちさんがこれもんでやってるっていうわけじゃないけど。
夢丸師匠は案外声が低いので、お師匠さんが歌うのもちょっとこう…女のお師匠さんぽくないんだなー。
もてたいハチのどたばたは面白かったけど、そこが少し残念だったかな。でもこういう噺も苦手にしないできちんと向き合う夢丸師匠が素敵。ってエラソーですびばせん。


優子先生 櫓太鼓
優子先生を高座の上で見るのはこれで三回目。
回を重ねるごとにトークが面白くなってる(笑)。
三味線への愛を熱く語られたんだけど、いやぁ…やってみたくなった…。
なによりも、三味線を教える時に楽器だけでなく何か人生の指針になるようなことはないかと考えた時に、三味線の一音を出す時には毎回神様と対峙していて一番いい音を出すという意識をもって出している、っていうところ。
普段の生活ではいろいろ心配したりくよくよしたりすることの方が多いけれど、三味線の音を出すときは常に「今までで一番いい音!」という気持ちでやる、っていうの。
すごく素敵だなぁと思った。

そして小林一茶が好きだという話やお相撲の話のあとに「櫓太鼓」。
いやぁこれがもう…超絶テクニック、でもテクニックだけじゃなくて、三味線への愛とか音楽の理解とか…とにかく素晴らしくて感動~。
こういうのを見てしまうと、あの人やこの人の三味線が物まねしてるようにしか見えなくなってしまうんだよなぁ。レベルが違いすぎる。

後から、優子先生がお囃子をやめて音曲師としてやっていくことにしたことを知って、納得…。
確かにあれは表に出てやるべき芸。


夢丸師匠「豊竹屋」
燃え尽きた優子先生を気遣って(笑)三味線の入る噺だけど優子先生を煩わせないように「口三味線」の噺。
いやぁこれがおかしかったー。
義太夫の語りがおかしいし、見得を切ったりするときの形と表情がもうぴったりはまって楽しい。笑った笑った。


助六師匠「親子茶屋」
三味線縛りがあってもこういうちょっと珍しい噺をしてくれる小助六師匠が好きだ~。
遊び過ぎの若旦那を叱りながらも実は隠れ遊びが好きな大旦那が、きちんとしている小助六師匠に重なって見える(笑)。
楽しかった!

前回同様、大満足の会。
日曜日はあんまり出かけないようにしているんだけど、この会はできるだけ来たいなー。