りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

瀧川鯉昇・瀧川鯉八 立川談笑・立川吉笑 ダブル親子会

8/4(火)、北沢タウンホールで行われた「瀧川鯉昇・瀧川鯉八 立川談笑・立川吉笑 ダブル親子会」に行ってきた。

・鯉八「おはぎちゃん」
・談笑「お化け長屋」
〜仲入り〜
・トーク(鯉昇・談笑・鯉八・吉笑)
・吉笑「ぞおん」
・鯉昇「茶の湯

鯉八さん「おはぎちゃん」
ダブル親子会ってことですけどみなさん今日のチラシ見ましたか?
談笑師匠と吉笑さんは見るからに才気あふれる師弟っていう写真でかっこいいんですよ。それに比べて私と師匠はなんですか。沼から這い出してきた化物じゃないですか。
…ぶわははは。いやいやすごく素敵な写真ですよ。表情豊かで。

そんなまくらから「おはぎちゃん」。
ぎょっとして驚いてる人とツボにはまって大笑いの人がいて会場の空気が一種独特?でもあっけにとられる人も含めて鯉八ワールドに取り込んでしまっているのだから、ほんとにたいしたもんだ。
「神」のような振る舞いのおはぎちゃんに疑問を投げかける男の「え?」「あれ?」「本物だ…」というつぶやきがすごくおかしいんだけど、徐々に取り込まれていくのが面白くもありちょっと恐ろしくもあり。

談笑師匠「お化け長屋」
なるほど、これが噂の鯉八ワールドですか、と談笑師匠。この空気を戻さないとと、いくつか小噺。これがすごく面白かった。
「お化け長屋」、基本的にはそのままの流れなんだけど、時々「おはぎちゃん」が出てきたり、後家さんの幽霊も稲川淳二風だったり。実は談笑師匠には苦手意識があったんだけど、実際見てみたらそんなこともなく。
お弟子さんを好きになると師匠のことも好きになるマジック。

トーク(鯉昇師匠・談笑師匠・鯉八さん・吉笑さん)
きっとこういう場は吉笑さんが仕切るのだろうなと思っていたら意外にも(?)司会は談笑師匠。
鯉八さんが前座時代はもちろん新作をやったりはできないので今のような病を発症していなかったという鯉昇師匠。だからこんな風になっているとは師匠は知らずにいて、他の師匠たちから聞いて初めて知ったらしい。
なんかこんな風に鯉昇師匠と鯉八さんが並んでいるのがとても新鮮で、二人のことが大好きなのでなんか見ていてとてもうれしい。
とてもゆる〜い鯉昇一門は正月の挨拶もなし、年末に集まって王子の狐を見るぐらい、らしい。
「生存だけ確認できればいい」と言う鯉昇師匠。
楽屋での師弟の様子を見ていてもそのゆるさは一目瞭然で驚いた、と吉笑さん。
そういう談笑一門も、弟子を招いてご馳走したり小遣いをやったりと、談笑師匠が談志師匠を反面教師にしているせいもあって、かなり緩い印象。
それでもいつも自由にふるまっているお二人が師匠を前にすると遠慮がちになるのが見ていて面白い。

吉笑さん「ぞおん」
トークの時に談笑師匠が「うちの一門の天才」とハードルを上げに上げていたけれど、それがとてもプラスに働いたような吉笑さん。
「喉から手が出そうなくらい欲しい」というキーワードで自分の方がより欲しがっているというアピールをしあう二人の男の噺を始めたので、うおお?と思っていると、「こんな噺はないんで」とばっさり。なんと噺に入ったわけじゃなく、自分の世界に引き込むための小噺?だったみたい。どういう心臓してるんだ。
「ぞおん」初めて聞いたけど、これがまた吉笑さんらしい噺で面白い〜。なんかほんとに独特の世界を持ってるよなぁ。理屈っぽいっていうか頭でこねくり回す系っていうか。でもそれが全然嫌じゃないんだよなぁ。面白かった。

鯉昇師匠「茶の湯
吉笑さんが鯉八さんの落語を見て「自分も今まであんまり考えてことなかったんですけど、やっぱり寄席の流れっていうか後にあがる人のことも考えなあかんなって思いました」と言っていたけど、…やっぱり吉笑さんの後もすごーーくやりづらいでしょう(笑)。

鯉昇師匠の「茶の湯」は何回か見ているけど、鉄板の面白さ。
鯉昇師匠はからだの使い方がとても上手なんだな。角度のつけ方とか上下の動きとか。ゆるーくやってるように見えるけど実は結構動きがあってそこに巻き込まれる楽しさ。

4人がそれぞれ違った個性でとても楽しいダブル親子会だった。