バーニング・ワイヤー
- 作者: ジェフリーディーヴァー
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/10
- メディア: 単行本
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突然の閃光と業火―それが路線バスを襲った。送電システムの異常により、電力が一つの変電所に集中、爆発的な放電が発生したのだ。死者一名。これは事故ではなかった。電力網をあやつる犯人は、ニューヨーク市への送電を予告なしに50%削減することを要求する。だがそれはNYに大停電を引き起こし、損害は膨大なものとなると予想された。FBIと国土安全保障省の要請を受け、科学捜査の天才リンカーン・ライムと仲間たちが捜査に乗り出した。しかし敵は電気を駆使して罠をしかけ、容易に尻尾をつかませず、第二の殺戮の時刻が容赦なく迫る。一方でライムはもう一つの大事件を抱えていた―宿敵たる天才犯罪者ウォッチメイカーがメキシコで目撃された。カリフォルニア捜査局のキャサリン・ダンスとともに、ライムはメキシコ捜査局をサポートし、ウォッチメイカー逮捕作戦を進めていたのだ。ニューヨークを人質にとる犯人を頭脳を駆使して追うリンカーン・ライム。だが彼は絶体絶命の危機が迫っていることを知らない―。
大好きなリンカーン・ライムシリーズ。
面白かった〜!ディーヴァーはほんとにいつも面白い!
特に本作はライムシリーズの集大成と言えるのでは?なぜなら長い間引っ張ってきた伏線がなんとなんと…と語るとそれがネタバレになってしまうのでアレなのだが、うおおっそうきたか!と、このシリーズを丁寧に読んできた人なら驚きの展開が待っているのである。
今回の凶器は電気。
発電所が舞台というのはとてもタイムリーだ。
目に見えない、圧倒的な殺戮能力がある、しかしなくてはならないものだから止めるわけにはいかない。
怖いもの知らずのサックスが恐怖のあまり足がすくむ場面があるのだが、非常にリアルだ。
それにしてもまあよく毎回いろいろ思いつくものだ。しかも綿密に調べて読者が退屈しない程度に分かりやすく教えてくれる。素晴らしい。
いつものメンバーが出てくるだけで旧友に再会したような嬉しさがある上に、それぞれにスポットライトがあたるようなエピソードが心憎い。
今回はデルレイがいい味を出していたなぁ…。
また今回登場した魅力的な登場人物が次回作にも登場するかも?というのも楽しみの一つだ。
まだまだ筆力は衰えず。今後も楽しみなシリーズ!