小銭を数える
- 作者: 西村賢太
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/03/10
- メディア: 文庫
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女にもてない「私」がようやくめぐりあい、相思相愛になった女。しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は緊張をはらんだものになっていく。金をめぐる女との掛け合いが絶妙な表題作に、女が溺愛するぬいぐるみが悲惨な結末をむかえる「焼却炉行き赤ん坊」を併録。新しい私小説の誕生。
うおっ。面白い。
最低な男で、最低な暮らしで、最低なシチュエーションなんだけど、なぜか笑える。なぜか許せる。それはなぜ?
この圧倒的な惨めさと人でなしさが、なぜか不愉快ではなく愉快。
とにかく文章が美しくて、酷い話なんだけどそこはかとなくユーモアが漂っていて、妙に高尚。
まずい。好きになっちゃったかも。