末廣亭12月中席昼の部(1日目)
12/11(日)末廣亭12月中席昼の部に行ってきた。
トリの南なん師匠が見たいよーーと思い続けていたので、うれしすぎる!
日曜日はあまり出かけないことにしているんだけど、南なん師匠がトリをつとめる芝居の初日となれば話は別。
伊勢丹でお弁当を買って開場待ちの列にウキウキ並ぶ。うれしい~!
・こう若「子ほめ」
・桃之助「たらちね」
・ぴろき ギタレレ漫談
・圓満「金明竹(前半)」
・笑好「動物園」
・チャーリーカンパニー コント
・可龍「狂言マック」
・歌蔵「熊の皮」
・マジックジェミー マジック
・柳好「桃太郎」
・東京ボーイズ 漫談
・松鯉「赤穂義士伝より殿中松の廊下」
~仲入り~
・夏丸「懐かしのCM」
・京太・ゆめ子 漫才
・遊吉「道灌」
・小文治「粗忽の釘」
・ボンボンブラザーズ 曲芸
・南なん「猫の災難」
ぴろき先生 ギタレレ漫談
久しぶりだったのでネタが新しくなっていて嬉しい。
やっぱり色物の先生はあんまり続けて見ない方が新鮮でいいな。落
圓満師匠「金明竹(前半)」
この浅い出番で「金明竹」?!と驚いたのだが、大阪からの使いの
笑好師匠「動物園」
いつ見てもすごい…。小康状態ではすまな…もごもご。
可龍師匠「狂言マック」
おばちゃんや学校寄席での失礼なギャルのまくらが長めだったので
このまくらとこの噺だとお客さんにケンカ売ってる印象があるなぁ
歌蔵師匠「熊の皮」
この噺が好きだからっていうのもあるかもしれないけど、独特のリ
柳好師匠「桃太郎」
まくらは暗めなのに噺に入ると超ハイテンション。このつまらない
松鯉先生「赤穂義士伝より殿中松の廊下」
いいなぁ松鯉先生。全然汗もかかず力も入ってる風には見えないの
夏丸さん「懐かしのCM」
代演が夏丸さんってうれしい!
この日はお客さんがいっぱいで、それも初めて寄席に来たという感
「懐かしのCM」では年配のお客さんは一緒に口ずさんだり、若い
こういう噺を持ってるのは強みだよなぁ。
遊吉師匠「道灌」
ここで「道灌」?!と驚いたけど、楽しかった。
「歌の道と書いて歌道。じゃ、水の道で水道、鉄の道で鉄道ですね
せっかくの休みなのに一文無しで酒も飲めない、つまんないなぁ…
頭と尻尾だけの鯛を見て大喜びの兄貴が酒を買いに出かけて行って
なんかこの最初からここまでの流れがほんとに自然でどこからどこまでも「落
1杯飲んで「あと半分」のつもりが注いでいると結局一杯になっち
燗に注いでいるのにふわふわご機嫌でいるとこぼれちゃって、それ
もう南なん師匠、やっててすごく楽しくなってきちゃったでしょう
初めて来たと思われる若い女の子たちが終わってから口々に「面白
ジェイ
- 作者: エリザベスバーグ,Elizabeth Berg,島田絵海
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1996/10
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★★★★★
屋上から落下した氷塊に頭を打たれ、昏睡状態に陥った夫。暗い予感に脅えながらも友情と希望の力に支えられ、看病を続ける若い妻。人の営みの中にある小さな宝石をすくい上げ、静かな感動をもたらす長篇小説。
再読。
大好きな作品なのだが何年かぶりに読んでやはりとても好きだと思った。
落下した氷の塊が頭を直撃し昏睡状態に陥った夫ジェイ。妻のレイニーはジェイがもう二度と意識を取り戻さないのでは…という絶望と戦いながら、わずかな希望にすがるように毎日ジェイに語りかけ匂いを嗅がせ身体に触れ続ける。
レイニーのユーモアと反骨心、隣人のアリスの友情に笑ったり泣いたりしながら読んだ。
エリザベスバーグは大好きな作家なのだがもう何年も翻訳されていない。出してほしいなぁ…。
鈴本演芸場12月上席夜の部(9日目)
12/9(金)、鈴本演芸場12月上席夜の部に行ってきた。
・扇遊「手紙無筆」
・さん助「熊の皮」
~仲入り~
・にゃん子・金魚 漫才
・文菊「あくび指南」
・夢葉 マジック
・天どん「クリスマスの夜に(サンタ泥)」
扇遊師匠「手紙無筆」
珍しくよく笑うお客さんで扇遊師匠もまくらから楽しそう。
いやぁこの芝居、ほんとにあんまり笑わないお客さんだった。私ばっかり笑ってるみたいでバツが悪くなるほど。別に無理に笑うことはないけどあまりに反応が薄いと演者さんが気の毒…。あ、でも私もにゃんきんのときはクスリとも笑えないからなぁ…。別に盛り下げてやろうと思ってるわけじゃないけど笑えないんだからしょうがない。そういう感じなんだろうか。あるいは面白いと思っても黙って笑うタイプのお客さんが多かったとか?
前座の高齢化、高学歴化が進んでいる。自分が入門したころは高卒がほとんどだったけど、その後10年ぐらいしたら大卒が多くなり、最近では一流の大学から大学院、会社を経て前座になる人も。だから前みたいに気軽に「おいてめぇなにしてやがるんだ」なんて言えなくなった。
そんなまくらから「手紙無筆」。兄貴分の読めるふりがなんともかわいい。くどくどしてなくてリズムがいいから聞いていて楽しいんだな。
さん助師匠「熊の皮」
テッパンの面白さ。
「洗濯すきだよ。毎日してるし」ってさらっというところが好きだったりする。
あの先生が座布団の上で変な喜び方するところ。どこをどうしてああいうふうになったんだろう。なんてことをふと冷静に思ったり。
楽しかった。ばかばかしくて。
文菊師匠「あくび指南」
苦手だなぁと思っていたんだけど、この芝居で見続けていてそんなに苦手じゃなくなった。続けて見てると苦手がそうじゃなくなるっていうのが結構あって、それが面白い。
またしても女が色っぽい。無駄に色っぽくて「えろいちんねん」という言葉が蘇っておかしくてしょうがない。
笑いどころがフツウの「あくび指南」と違ってそれはそれでおもしろいのかも。
天どん師匠「クリスマスの夜に(サンタ泥)」
すっごく良かった。やっぱり新作が好きだなぁ。天どん師匠。
小ネタ(「え?亀?子別れかよ!」とか「ジーパン」「山さん」「スコッチ」とか)も楽しいし、ハートウォーミングだけどむず痒いところもないし、バランスが絶妙。
よかった~。
フェリシアの旅
★★★★
男は車のミラーから彼女を凝視していた。映っていたのは、十七歳の少女フェリシア。連絡先も告げずに去ってしまった恋人を捜すためにアイルランドからイギリスにやってきた。何の手がかりもなく。車の男ヒルディッチは、町工場の食堂の責任者。だが彼には知られざる性癖があった。天才的な嗅覚で家出娘たちを捜し出し、巧妙に助けの手をのべ、感謝され、そして―殺す。男は偶然の出会いを演出し、静かに、だが確実に、彼女を追いつめていく―。アイルランドの実力派による同名映画の原作。
サスペンスタッチなストーリーにこれがトレヴァー作品なの?と驚きながら、前半は「もう読むのやめようかなぁ…」と腰が引けながら読んだのだけれど、最後まで読むと驚きの着地が待っていて、ああやっぱりトレヴァーなのだなぁと思う。
早くに母に死なれ100歳になる祖母の介護や家事を一手に引き受けている少女フェリシア。その彼女が恋をして恋人に会うために家出をする。
そこで彼女が出会ったのが表向きは気のいい食堂長だが実は恐ろしい闇を抱えた中年男ヒルディッチ。
純粋なフェリシアがヒルディッチの罠にはまっていくのが読んでいて苦しくて、また彼女が不実な恋人にしか「未来」を見ることができないのもかわいそうで、読んでいて息苦しくなる。
一方ヒルディッチの方は表と裏の顔を使い分け、実に巧妙にフェリシアをとりこんでいくので、彼の目的はなんなのか、どんな恐ろしい結末が待っているのかと読んでいたのだけれど、最後まで読むと彼への印象が少しだけ変わってくる。
フェリシアがたどり着く境地に驚きつつも彼女の旅はまだ始まったばかりなのだとも思う。
お好み寄席「師走の夜噺」
12/8(木)上野広小路亭で行われたお好み寄席「師走の夜噺」に行ってきた。
小南一門会って見たことがないからほんとは最初から入って見たか
二楽師匠のお兄様だから確かに顔が似てる…でももっと似てるのは
顔が似てて声も似てるからもう竹中直人にしか見えなくなって絶対
「先月は初雪が降ったり、そうかと思えば地震があったり…。でも
…ぶわははは。思わず笑ってしまった。
そんなまくらから「はてなの茶碗」。
噺家さんによってこの茶金さんの印象が微妙に変わるんだけど、小
結局のところ、この茶金さんが噛んだことでこの茶碗にこれだけの
若干関西弁がムムムなところもあったけれど、陽気で楽しい「はて
南なん師匠「夢の酒」
一門会ということで師匠の思い出。
「私はよくしくじりをして師匠に怒られました。穏やかな師匠だっ
「師匠は絵が上手でしたから、サインを頼まれるとその横に絵を描
そのセリフに後ろの方から「芝浜?」という声が。
私は「天狗裁き」?
と思ったら「夢の酒」だった。
南なん師匠で聴くのは初めてでうれしい!!(でも南なん師匠の「
女房のお花に起こされて「なんだ。いいところだったのに」とつぶ
どんな夢を見てたのか教えてくれとお花に言われ「でもお前怒るか
向島で雨宿りをしていると女中に声をかけられてそこで若旦那に恋い焦がれている御新造さんが出てきた場面でお花の顔が
お酒を飲んだと言えば「あなたったら普段は飲めないくせに女の人
それを見て若旦那が「この話はやっぱりよそう」と言うのがおかし
騒ぎを聞きつけて大旦那がやってきてお花が理由を話し始めると、
お花は焼きもちを焼いているんじゃなくて、そういう心の隙があると悪い評判がたってお店がだめになってしまうのではないか、それが心配なのだ、と言いがかりに近いことを言って、大旦那に「だから夢の中に行ってその御新造さんにうちの若旦那には手を出さないように言ってください」と言う。
若旦那の夢の中に入って行った旦那。
御新造さんに言われるがままに家に入り酒を出されるんだけど「い
すると御新造さんが「あらまぁ、お清早くして。なにしてるんだい
「いや冷はだめです。燗がいいんです。冷は体に毒だから。あ、い
「清や早くして。何か見繕って作ってきてちょうだい。お燗もして
「いや冷はだめです」
もうこの繰り返しがおかしくておかしくて。夢って確かにこういう
それでサゲの場面にいくからもうたまらない楽しさ。
あーーー。やっぱり南なん師匠の落語はほんとに楽しい。安心して身をゆだねられる楽しさ。ラブ。
鈴本演芸場12月上席夜の部(6日目)
・緑助「狸札」
・わん丈「子ほめ」
・翁家社中 太神楽
・圓太郎「粗忽の釘」
・一之輔「浮世床(本)」
・のだゆき 音楽パフォーマンス
・扇遊「たらちね」
・さん助「おしゃべり往生」
~仲入り~
・にゃん子・金魚 漫才
・文菊「紙入れ」
・夢葉 マジック
・天どん「双蝶々(上)」
なんだか最初から最後までやたらとおかしくて大爆笑だった。
なんかこの亭主の威勢はいいけどおかみさんにきつく言われると笑
一服させろと言う亭主と釘を打ってくれと言う女房。女房に「あた
こんなに聞き飽きた噺でまだこんなに笑えるのかと驚いた。
客席を見渡して「お金を払った時点で責任は果たしたと思っちゃい
この日のお客さんが重かったから?もっと客席を巻き込まなきゃ!
「太閤記」のことを「ていこうき」と言われて「なに?抵抗記?そ
「っ」に気付いたげんちゃんが「わかったこれ勢いのつだ。読まな
「まはらじふらふ…」っていうのにも「なにそれパリジャンヌ?」
一之輔師匠って言葉のセンスがすごくいい
こういうシーンとしたお客さんに対するとどうもむきになってしま
そんな心配な(!)まくらから「おしゃべり往生」。
弟分が「
でもこの日のお客さんには全然合わなかった!(笑)。
かなりの数のお客さんがひゅーーーっと引いていく感じ。
お客さんがしーんとすればするほどハイテンションになるもんだか
でも私はすごくこれ好きだしさん助師匠にも合ってると思うしもっ
あのね。もう少しこう落ち着いてやったらいいと思うの(←結局失礼な言い
文菊師匠「紙入れ」
とにかくこのおかみさんが今まで見た中で一番色っぽくてすごーー
こんなおかみさんに気に入られたら蛇に睨まれた蛙だよー。でもそ
紙入れでこんなに笑えるとは。
「まともな落語は紙入れで終わりですよ」と天どん師匠。「それに
しかし噺の方はもう…申し訳ないが天どん師匠のこの手の噺って私
上野広小路亭12月上席
12/6(火)、上野広小路亭12月上席へ行ってきた。
この後鈴本演芸場の夜の部にも入る予定なのでなんとこの日は
さすがに疲れるだろうと思って、上野広小路亭には南なん師匠の出
・南なん「お見立て」
・今丸 紙切り
・伝枝「片棒」
南なん師匠「お見立て」
南なん師匠の出囃子が流れてくるだけで「うわーーい」と心が浮き立つ。
いつもの「安らかに眠ってください」のまくらからの「お見立て」
それを聞いて喜助が慌てて扇子の上で足をぐりぐり動かすのがもう
もくべえと喜瀬川の間を行ったり来たりしながら「ああ、もう
築地本願寺寄席
12/6(火)、築地本願寺寄席に行ってきた。
・駒次「ガールトーク」
・さん助「質屋庫」
・扇蔵「子別れ(中)(下)」
駒次さん「ガールズトーク」
この寄席はツアーのお客さんがほとんど(一般客は私ともう一人だ
この間「ドッポ」で見た「質屋庫」。
あんなに怖がっていた火の玉が出て腰が抜けたくせにすぐに見に行
扇蔵師匠「子別れ(中)~(下)」
亀ちゃんがいやらしくなく素直にかわいい。
酔っぱらって帰ってきたくまさんにおかみさんが「あたしはいいけ
再会のシーンも父親に会えて心底喜んでいるので、そこでもうるう
うなぎ屋で亀ちゃんに「また一緒に暮らそうよ」と言われてくまさ
球形時間
★★★
鋭くも愚かしくも聞こえる問いをつねに発している高校生サヤは、ある日の放課後、喫茶店で謎のイギリス女性と出会ってひきつけられる。クラスメートのカツオは、フィリピン人の混血少年と性関係をもちつつも、太陽を崇拝する青年への興味を抑えられない。あっちへこっちへと転がりながら、はからずも核心へと向かってゆく少女と少年の日常を描く、愉快かつ挑戦的な最新長篇。
よくありがちな高校生の日常をベースにしながらも、生理的に嫌だったりざわざわと心が泡立つようなエピソードがそこかしこに散りばめられているのでなんだかものすごく気持ち悪い。
軍隊っぽい教師とか母親の色を失った目とか同級生の写真を切り刻む女子とか日の丸と処女の対比とか…。
色覚的だからイメージが頭にこびりついて離れない。
だまし絵のようなちょっとねじくれた世界。これはリアルなのか幻なのか。願望や欲望や想いが現実をゆがませてしまったような…。
なんだろうなぁこの小説。何かきっと意図があるんだろうとは思うけれど、あまり好きではない世界だった。
ジュリエット
★★★★★
長距離列車で乗りあわせた漁師に惹きつけられ、やがて彼のもとで暮らしはじめる大学院生のジュリエット(「チャンス」)。娘が生まれ、田舎の両親を訪ねるが、父母それぞれへの違和感にこころは休まらない(「すぐに」)。やがて夫は諍いのさなかに漁に出て、突然の嵐で遭難。つねにそばにいてくれた最愛の娘は、二十歳のときに失踪し、行方知れずのままだ。いまやバンクーバーで人気キャスターとなったジュリエットは、ある日、娘の消息を聞く―(「沈黙」)。以上、マンロー版「女の一生」ともいえる“ジュリエット三部作”のほか、ふとした出来事でゆすぶられる人生の瞬間を描いて、マンローの恐るべき技量が冴えわたる短篇小説集。
とてもよかった。今までもマンローの作品は読んできたけれど今回は特にぐっときた。
ほんの一瞬の決断、出会い、別れが自分の人生を変えていく。
あれが人生の岐路だったのだと気付くのはそれから何年もたってからだ。
つかんだはずの幸せもいつまでもそこにあるわけではなく、作った家族もばらばらになり、気が付けば一人になっている。
三部作の「ジュリエット」は特に3つ目の「沈黙」がとても辛い…。こんな思いをするぐらいならむしろ子どもなんか持たない方がよかったのではないかとさえ思える。
「人生は甘くないのよ」「人間は所詮は一人なのよ」そんなマンローの声が聞こえてくる。
しかし苦いけれどマンローが伝えようとしているのは絶望だけではない。
静かな諦めの境地に至るジュリエットには逆に励まされたような気さえする。
素晴らしいな、マンロー。これから自分が年を重ねるごとにますます好きになるのかもしれない。
鈴本演芸場12月上席夜の部(3)
12/3(土)、鈴本演芸場12月上席夜の部に行ってきた。
・緑助「真田小僧」
・ふう丈「同窓会」
・翁家社中 太神楽
・圓太郎「権助芝居」
・玉の輔「財前五郎」
・ペペ桜井 ギター漫談
・扇遊「子ほめ」
・さん助「しゃっくり政談」
ふう丈さん「同窓会」
タイトルがわかったのは「しゃっくり政談」のさん助師匠が質問がきそうな落語の演目を言ってくれたから。これ、いいシステム(笑)。
中学の時に同級生の憧れの女の子の日記を盗んでしまった男。同窓会で彼女に本当のことを言って日記帳を返し、プロポーズをしたいと言う。
しかし当日やってきた彼女はものすごい巨大化していた…。
この巨大化した彼女っていうのがばかばかしいんだけどすごくおかしい。
面白かった!
ガンバレ、ふう丈さん。
圓太郎師匠「権助芝居」
「おかる」という名前が出てこなくて「権助でねぇか」と言ってしまったもじゅうに権助が「そういうおめぇはもじゅうでねぇか」と言ったと聞いた番頭さん。「(あいた穴が)ひろがったな」と言ったのが妙に面白かった。
扇遊師匠「子ほめ」
扇遊師匠の「子ほめ」ってなんか珍しい!わかっていても思わず笑ってしまう。楽しい。
さん助師匠「しゃっくり政談」
同じ噺でもウケるところが日によって違ったりして面白いなぁと思う。
この日初めてさん助師匠を見た人は「キモチワルイ人」と思っただろうなぁ…。ぷぷぷ。
ところでこの日ほんとはさん助師匠の会が赤坂であるはずだったのだが、二日前に主催者から「中止になりました」とショートメールが来た。
さん助師匠がそんなに簡単に会を中止にするとは思えなかったので、もしかして体調でも崩したのか?!と心配したのだけれどそんなことはなく、どうやら主催者側の理由だったらしい。
なのに、ホームページに「中止」の記述もなく、ブログでの告知もない。それどころかブログにこれからやる別の落語会のことや新しく作っている会場のことをしれっと書いていて、なんだかすごーーく嫌な気持ちになった。
どういう理由かわからないけど、そんなに安易に会を中止にするべきじゃないし、直前に理由も告げずショートメールだけで連絡っていうのも失礼な話だし、ホームページやブログのこともあまりにも無神経。
好きな人の会を主催されているからまめにブログをチェックしていたけど、見れば見るほど気分が悪くなるので、もうこの人の主催する会はいかない!と思った。
長いこと会を主催されているようだけど、結構こういうことを当たり前にやってるんだろうか。最悪。
芝落語会 年忘れ落語会
12/3(土)、東京女子学園中ホールで行われた「芝落語会 年忘れ落語会」に行ってきた。
・蝠丸「八百屋お七」
・文治「擬宝珠」
~仲入り~
・文治「掛取り」
・蝠丸「浜野矩随」
蝠丸師匠「八百屋お七」
最初にこの会の主催者の方が挨拶をしたんだけど、これが長かった…。熱い思いはわかるけど勘弁してケロ…と思っていたのだけれど、「あらかじめ送られてきたこの会の予定表では3分になっていたんですけど10分喋りましたね。嫌いじゃないんだなってことがわかってよかったです」と笑いに変える蝠丸師匠。
この師匠の穏やかで優しい話にはほんとに癒されるなぁ…。
この仕事をしていてよく質問されるのは「どこで稽古をするんですか」。
我々の仕事、家の壁に向かって100回練習してもだめなんですよね。やっぱりこうやって鼻から息をしてる生き物の前でやらないと…だから今が稽古なんです」。
そんなまくらから「八百屋お七」。これは前に寄席で聞いたことがあるんだけど大好きだ。地噺の部分がゆる~く楽しい。
「この噺は男と女の事件簿です。世の中には男と女しかいないわけで男と生まれて女を好きじゃないなんてのはめったにいないわけでして。中には女より男の方が好きという男もいるようですが…。今日出るもう一人はそうだって言われてますけど…私はよく知らないですけど」
そう言いながら「楽屋の先輩でもいるんです。昔から女遊びが盛んでね。この人が好きなのが不幸な人妻だっていうんです。”不幸な人妻っていうのはいいねぇ。色っぽくて。でもなかなかいないんだよねぇ。不幸な人妻。” 不幸な人妻ならいるんですけどね。自分の家に。」
…ぶわはははは。何度聞いてもおかしい、この話。
サゲもくだらなくて最高。
文治師匠「擬宝珠」
亡くなった先代の文治師匠の話。これから抗がん剤治療をやるという前の日に弟子が集められた。一人ずつ師匠と話をしたんだけど、蝠丸兄さんなんかはうまくて。”師匠も会長の任期が終わったんですからこれからは落語に専念してください”。そんなことを言って。僕は師匠に親子酒を教えてもらおうと思ってそう言うつもりでいたら、僕の前にそう言った兄さんがいた。同じことを言うわけにはいかないと思ってどうしようどうしようと思ってるうちに順番が来ちゃって思わず泣いてしまった。あとでえらい兄さんたちに怒られました。あれで師匠が察しちゃったじゃないかって。」
「今年は身体が無事だったのでよかった。昨年はインフルエンザにかかってトリを4日休んでその後階段を踏み外して骨折。それもたったの二段。でも完璧に治るまでに半年かかった。」
そんなまくらから「擬宝珠」。きっと喬太郎師匠から教わったんだろうな。ばかばかしくてにぎやかだった~。
文治師匠「掛取り」
年末だから絶対やるだろうなと思っていたらやっぱり。どうやら「擬宝珠」が長かったらしく寄席バージョンで短めに。
大家さんがこの会のお席亭で「寄席好き」。お得意の噺家のものまね。鯉昇師匠が秀逸だった~。
蝠丸師匠「浜野矩随」
まくらなしで噺に。「擬宝珠が長かったんでね」。
蝠丸師匠の「浜野矩随」は末廣亭のトリの時に見たことがあるけど、あんまり陰気じゃなくて好き。
終わって拍手をしていると「今日は時間が少なかったので刈り込んでやりましたけどすみません」みたいなことをおっしゃっていて、ほぉーーっと。ちょっと不本意だったのかしら?でも聴いてる方はそんな風には全然感じなかった。
柳家小三治独演会
12/2(金)、銀座ブロッサムで行われた「柳家小三治独演会 」に行ってきた。
・三之助「黄金の大黒」
・小三治「馬の田楽」
~仲入り~
・小三治「宗論」
三之助師匠「黄金の大黒」
最初の家賃のくだりをやけに丁寧にやるなぁ…と思っていたら、大家さんの家に行ってきんちゃんが口上をやったところで「冗談言っちゃいけねぇ」で終えた。え、えええ?
小三治師匠「馬の田楽」
「三之助の黄金の大黒…あれはほんとはもっと長い噺なんですよ。あれから宴会が始まって若い衆がわいわい食べる場面があって…あんまり楽しそうなんで大黒様も宴会に加わってきて…それがまさかあそこで”冗談言っちゃいけねえ”って降りてくるとは。まだまだやるな、これはって思って楽屋で水を飲んだりしてたんで、心の準備が全然できてない」
その後もまくらにつまると何度も「黄金の大黒のせいで」と言う小三治師匠がおかしい。
戦争の後、焼け野原になった北新宿でバラックを建てて家族7人身を寄せ合って暮らした。
向かいの家は田舎に家を買ってそちらに住むようになっていたので、両親はそこの土地に畑をこしらえて…自分もその畑を手伝った。
そんなまくらから「馬の田楽」。
いやこれがとても良かったのだ。最近小三治師匠は一席目はエンジンがかからないことが多いからなぁなんて思っていたんだけど、そんなことなかったんだな。
馬方の親方が呼んでも呼んでも主人が出て来てくれないのでついついうとうとしてしまうところ、馬がいなくなって慌てているのに主人が「はばかりにでも行ったんべ?」と呑気な返事をするところ、それから馬を探しに行って出会う人々。
耳が遠いおばあさんとのちぐはぐな会話。これだけでおかしい。だからこのおばあさんを変に色気づかせる必要はないんだよな…ぶつぶつ。
気が長い人や素っ頓狂な人や最後に出てくる上機嫌な酔っぱらい。それそれの人たちが生き生きしていて田舎ののんびりした風景が浮かんできて、ほんとに素晴らしかった~。
小三治師匠「宗論」
実は私おとといフランスから帰ってきました、と小三治師匠。
特に変わった出来事や申し上げるようなことはなかったんですが…と言いながら、実は帰りの飛行機でラグビーの日本代表と一緒になって、と。
ビジネスクラスだったんだけど、自分と娘以外は全てラグビーの人たち。
自分が旅の仕事に行くときは、自分とマネージャーと弟子、主催者の人、という4人っていうのが一番人数が多いくらいなんですけど、ラグビーの方は50名ぐらいいましたかね。代表に選ばれてる選手と控えの選手が同じくらいいたとしてもせいせい30人ぐらい。その他にコーチや役員や…なんであんなに大勢いるんでしょう。
そしてだいたいの人は私の頭のあたりに胸がある…がっしりした人が多かったけど、私の隣に座ったのは私ぐらいの背丈。今私が168センチぐらいですから選手にしたらずいぶん小さい方でしょう。
それでラグビーの人たちっていうのは…飛行機に乗る時も半ズボンなんですね。
私の隣の人もそうで、その太ももや腕が、全然堅そうじゃなくてむしろ柔らかそうなんです。ぷるんって…触ってみたくなるほどに。多分あれは柔らかい筋肉なんでしょう。そうじゃなかったからケガをしちゃう。
そしてこの大男たちがとにかく食べる。機内食なんてほんのちょっとばかり。全然足りないんでしょう。そのほかに持ってきている食べ物を食べて…あとビジネスクラスだと「召し上がりたければどうぞ」っていうんでうどんやなんかがあって。それにも「うどんですかい(SKY)」とかそんなのが用意してあるんですけど、彼らこれを次々注文して…客室乗務員の人も大変ですよ。のべつ運ばないといけないんですから。
それで食っては出す。私の席がトイレに近かったんですけど、選手たちが常にそこにずらーっとならんで喋ったりしていてうるさいのなんの。
でも空港に着いたときに大きな荷物に四苦八苦していたら近くにいた選手の人が「手伝いますよ」とさっと近づいてきて、私と娘の荷物をひょいっと持って階段を上がってくれた。すごく優しかった。そのことがありましたから「うるせぇな」と思ったけど、嫌な感情は持ちませんでした。
…いやぁ楽しかった~。小三治師匠の観察眼と面白がるポイントがすごく楽しい。
そんなまくらから「宗論」。
ばかばかしい~。前からこんなだったっけ。きっとそうだったんだろうけど、息子のカタコト日本語がばかばかしくて笑った笑った。
大満足の今年のブロッサムだった。
鈴本演芸場12月上席夜の部(1)
12/1(木)鈴本演芸場12月上席夜の部
もう鈴本に住んじゃう?っていうぐらい鈴本に通ってる。
・扇遊「一目上がり」
・さん助「やかん泥」
~仲入り~
・にゃん子・金魚 漫才
・文菊「馬のす」
・夢葉 マジック
・天どん「食い違い」
扇遊師匠「一目上がり」
近くで見るとほんとに生き生きしていて表情豊かなのに驚く。
さん助師匠「やかん泥」
いつものマイフェバリット小噺をやったあと「やかん泥」。
夜道が怖くて兄貴分に手をつないでもらう子分がかわいい。
どこまでも能天気などろぼうくん。
文菊師匠「馬のす」
お友達の要望で真ん中より後ろの方で見ていたんだけど、
なるほどー。
私はいつもすごい近くで見るから「くさく」
天どん師匠「食い違い」
なんか久しぶりの天どん師匠。
前座さんが座布団を持ってくる時になんかためらうように後ろを振
「この芝居…間間にハゲが入るんですね」にも笑った。「
だからハゲフェチの人にはもってこいって…。
天どんという名前でいろいろ恥ずかしい思いをします、という話。
仕事柄宅急便がたくさん来るので宅急便のおにいちゃんはもう「
だけどこの間ピンポンと鳴ったので何かと思ったら「
ええ?なに?と思って開けてみると別の号棟に住んでる人で、「
ああそうですかそれはどうもと受け取ったけど、
そんなまくらから「食い違い」。
鍋セットが届いて喜んでいる男が豆腐を切って鍋に入れている。「
ぶつぶつ言いながらでもこのまま食うわけにもいかないしと鍋を持
すると出てきた男「えええ?うちに来た鍋を作っちゃったの?
「え?酒?ちょっと待って。それうちに来たやつじゃない?
見てみると、酒はそっちの男の方に来た分で「えええ?
で、話し合いの結果、
いやでもこれはもとはといえば宅配が間違えたのが悪いわけだから
うわーなんか天どん師匠の新作を久しぶりに聞いたけど、
作って間もない噺らしいんだけど、いいわー。
最近古典を聞くことが多かったけど、私は断然新作派だなぁ、
楽しかった。
鈴本演芸場11月下席夜の部(9)
11/29(火)、鈴本演芸場11月下席夜の部に行ってきた。
・ホームラン 漫才
・さん助「しゃっくり政談」
・楽一 紙切り
・扇辰「徂徠豆腐」
ホームラン先生 漫才
「私、安倍総理が”安倍内閣”
わかる、わかるんだけど、なんでメグ?ぶわはははは。好きだわ、
さん助師匠「しゃっくり政談」
最近は自己主張の時代ですね、とさん助師匠。
「俺のステーキ、俺のラーメン、俺の居酒屋。
そう言ったあとに「
「お嬢さん、
「うるさい。うるさいから黙りなさい。」
「お嬢さん、近所の若い衆さんたちが言ってましたよ。
「だからうるさい。黙って歩きなさい」
「…」
「顔がうるさい」
「…」
「存在自体がうるさい!」
この後一変して昼下がりの不気味な雰囲気になるんだけど、
そしてさん助師匠、変態おじさんの真似がリアルすぎ。「
よく笑ってくれるお客さんでノリノリになりすぎたのか?
楽一さん 紙切り
「カストロ議長」のお題にみるみる固まる楽一さんに会場は爆笑。
でもぽつぽつと切り始め、またしばらく固まり…前の方から「
すると「がんばれのお声をいただきました」。そのあとに「
ぶわはははは。もうほんとに最高だわ、楽一さん。
しかも切り終わった「カストロ議長」が見事な出来栄えで「
扇辰師匠「徂徠豆腐」
前座さんが座布団をひっくり返してめくりをめくろうとすると舞台
文蔵師匠…。もうほんとにこういう時の文蔵師匠って楽しそう…。
出てきた扇辰師匠はめくりを確認してから座布団に座って頭を下げ
「この芝居、いろんなことがありました。最初は雨、
こうやって同じ芝居に通うとなんか見ている側にも達成感っていう
寒い中荷を担いで売っている豆腐屋を呼び止める侍。
そして代金を言われると「豆腐屋…。
何回かそのやりとりがあった後、豆腐屋が小銭を用意して「
この後のやりとりで豆腐屋が「えらいっ!!!」と叫ぶのも、
出世した侍が豆腐屋を訪ねてくるシーンは本当によくてぐっときた
特に豆腐屋が「見出されたのですね!そうでなくっちゃ」
よかったー。ほんとに素敵だった。