りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場12月上席夜の部(6日目)

12/6(火)鈴本演芸場12月上席夜の部
 
築地本願寺寄席、上野広小路亭と行って鈴本演芸場夜の部へ。今まで落語のダブルヘッダーはしたことあったけどトリプルは初めて。最後までもつのかあたし?

・緑助「狸札」
・わん丈「子ほめ」
・翁家社中 太神楽
・圓太郎「粗忽の釘
・一之輔「浮世床(本)」
・のだゆき 音楽パフォーマンス
・扇遊「たらちね」
・さん助「おしゃべり往生」
~仲入り~
・にゃん子・金魚 漫才
・文菊「紙入れ」
・夢葉 マジック
・天どん「双蝶々(上)」

 
翁家社中 太神楽
和助さんの土瓶の曲芸すごいよー。神楽の中で和助さんが今一番うまい!と私は思う。うっとり。
 
圓太郎師匠「粗忽の釘
なんだか最初から最後までやたらとおかしくて大爆笑だった。
なんかこの亭主の威勢はいいけどおかみさんにきつく言われると笑顔でころっと言うこときいちゃうところとか、言ってることとやってることがずれていてそこがたまらなくおかしい。
一服させろと言う亭主と釘を打ってくれと言う女房。女房に「あたしが優しく言ってる間に打ちやがれ」と怒鳴られて「打ちましょ」とケロッと言うのがすごくおかしい。
こんなに聞き飽きた噺でまだこんなに笑えるのかと驚いた。
 
一之輔師匠「浮世床(本)」
客席を見渡して「お金を払った時点で責任は果たしたと思っちゃいけない。あなたたちにはまだ責任がある。ましてやこの人数なんですから。わかりますね、自分の責任の重さは」。
この日のお客さんが重かったから?もっと客席を巻き込まなきゃ!と思ったのかな。
太閤記」のことを「ていこうき」と言われて「なに?抵抗記?それはあれか、反抗期の娘に抵抗するにはっていう内容?PHP文庫?」には笑った。
「っ」に気付いたげんちゃんが「わかったこれ勢いのつだ。読まないで勢いをだすやつ。まっとかかっとかがっとか」っていうのもおかしい。
「まはらじふらふ…」っていうのにも「なにそれパリジャンヌ?」
一之輔師匠って言葉のセンスがすごくいい。楽しかった。
 
扇遊師匠「たらちね」
扇遊師匠の八つぁんはとにかく明るくていいなぁ。大家さんとの会話が弾むようで見ていてほんとに楽しい。
セリフやなんかもよくやられている「たらちね」とは少し違う。
あとこの噺、お経になっちゃうところで終わることが多いけど、八百屋さんからねぎを買うところも好きなんだよね。なんかこの夫婦の明るい未来がうっすらと見えるようで。
 
さん助師匠「おしゃべり往生」
こういうシーンとしたお客さんに対するとどうもむきになってしまうさん助師匠。なにも楽屋はみんな敵同士みたいなまくらを振ってお客さんを引かせることもなかろうに…。
そんな心配な(!)まくらから「おしゃべり往生」。
 
うおおおー。前に一度だけ聞いたことがあってまた見たい!!と思い続けていた噺。寄席でかけることもあるんだ!
おしゃべりがもとで鯛の骨がのどにひっかかって死んだ男。三途の川に行っても元気で明るくてしゃべり通し。
三途の川を渡る船に乗ってからも、子どもを励ましたり、やってきた若い男女を勝手に「心中」と決めつけて芝居調で語ってみせたり、船に乗ってるいかにも「悪党」な二人組をからかってみたり。
ぺらぺら喋るこの男にイライラし通しの悪党の兄貴分。もう我慢ならねぇ!と男を殴ろうとして逆に自分が川に落ちてしまう。
弟分が「兄貴は泳げないんです」と言うと「あたしは泳ぎが得意だからしょうがない助けてやろう」と川に飛び込むおしゃべりな男。
兄貴分を助けて船に乗ろうとすると「あんなうるさいのはたまらないからそのまま置いて行ってしまおう」と船は男を置いて出発してしまう。男は「おーい待ってくれー」と言いながらも、そのまま「ツーパッツーパッ」と泳ぎだしてこの世へ戻ってきてしまう。
 
いやもうこの噺ほんとに面白いし、さん助師匠にすごく合ってる!
でもこの日のお客さんには全然合わなかった!(笑)。
かなりの数のお客さんがひゅーーーっと引いていく感じ。
お客さんがしーんとすればするほどハイテンションになるもんだから溝は埋まらぬまま…。うひょー。

でも私はすごくこれ好きだしさん助師匠にも合ってると思うしもっと寄席でも見たい!
あのね。もう少しこう落ち着いてやったらいいと思うの(←結局失礼な言いぐさで終わる)。


文菊師匠「紙入れ」
とにかくこのおかみさんが今まで見た中で一番色っぽくてすごーーく黒い(笑)。なんだこのイケナイ色気は。
こんなおかみさんに気に入られたら蛇に睨まれた蛙だよー。でもそれがもうすごくおかしい。
紙入れでこんなに笑えるとは。
 
天どん師匠「双蝶々(上)」
「まともな落語は紙入れで終わりですよ」と天どん師匠。「それにしてもなんですか文菊は。エロイちんねんですか」には笑った。うまいっ!

しかし噺の方はもう…申し訳ないが天どん師匠のこの手の噺って私は全然面白いと思えない…。
噺に入り込めなくて「ふーん」で終わってしまう。申し訳ないと思いつつ、トリプルヘッダーの疲れもあって途中で気を失う。すびばせん。