りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

生命式

 

生命式

生命式

 

 ★★★★

死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、著者自身がセレクトした脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集 

人間が死んだ人間を調理して食べる、人間が死んだ後の骨や皮や髪の毛 で家具や洋服を作る、死から生を生む「生命式」が受け入れられるようになった世界。それが道徳的に忌み嫌われていた時代からまだたったの30年しか経っていない。

私たちの考える「常識」「善悪」「尊厳」「正常」ってなに?それは本当に正しいの?そんな問題を突きつけられているような作品たち。

正直「もうええわ…」と投げ出したくなる作品もあったけど、でも目が離せない。理解しきれてない部分もあるけど、すごい作家だなということは分かる。

私たちが夢中になって韓国文学を読むように、海外でもこの人の作品が読まれるといいな、と思う。