りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小満ん夜会

2/3(月)、社会教育会館で行われた「小満ん夜会」に行ってきた。
 
・ぐんま「初天神
小満ん「厄払い」
・茶楽「富久」
~仲入り~
小満ん「うどんや」
 
ぐんまさん「初天神
わーい、ぐんまさん。
出てくるなり笑いが起こり「わかりますよ、みなさんの気持ちは。痛いほど伝わってきてます。…え?おまえ?なんで?」
いやまさか小満ん師匠の会でぐんまさんを見ようとは思ってなかったから…。でも嬉しい!見るほどに好きになるよ。
群馬の物産展を歩くような「初天神」。とっても面白かった!
ぐんまさんの新作、聞いてみたい。
 
小満ん師匠「厄払い」
まくらでは節分の時の厄払いについてたっぷりと。
厄年の人は年の数の豆と小銭をおひねりにしてまくという風習が昔はあった。
小満ん師匠も子どもの頃、母親に言われてそうしたんだけど、「振り向いたり戻ったりしたらいけない」と言われてその場は仕方なく離れたんだけど、次の日気になって見に行っていたらなくなっていて、自分の厄を押し付けたようでちょっと罪悪感を覚えた、というのは面白い。
そんなまくらから「厄払い」。
与太郎さんがご機嫌でかわいい。おじさんの言うことをいちいちまぜっかえすんだけど、小満ん師匠だとそれがシャレがきいていて「うまいこと言うなー」と感心してしまう。
与太郎が厄払いの途中で「うんまぁこれぐらいやればいいや」と逃げて行くのもおかしかったー。
 
茶楽師匠「富久」
おおお。茶楽師匠の落語は小満んファンに受け入れられているようで、なんか嬉しい。まるで自分の手柄のように。って私の手柄でもなんでもないけど。
スピーディで軽くて楽しくてきれいな「富久」。
火事場に駆け付けた久蔵が受付を頼まれて火事見舞いに来た人たちに挨拶をして帳面につけてもらうんだけど、久蔵の如才なさが出ていてとてもきれい。
でもお酒を見ると飲みたくて飲みたくて何度も番頭に「お酒をお持ちいただきました」と言いそのたびに番頭に「そっちにやっておいておくれ」とあっさり言われるのがおかしい。
ようやくお許しが出ると待ってました!と飲み始め口数が多くなるおかしさ。
そして「もう終わりしていいよ」と旦那のお許しが出てからは飲むほどに酒癖の悪さがにじみ出てくる。
その後の展開もスピードがあって見ていて気持ちいい。上がったり下がったり…のまさにジェットコースター。
 
火事が起きた時に「お前がしくじった旦那の家があるところじゃないか」と声をかけてくれたり、本人がいないからと荷物を全部運びだしてくれたり…久蔵の近くにいる人たちの優しさが伝わってきて、なんかいいなぁーと思った。
茶楽師匠、とっても素敵だった。
 
小満ん師匠「うどんや」
3代目小さんの「うどんや」芥川龍之介夏目漱石が好きだった、という話。
夏目漱石が小さんの落語をまねした、という話は面白いなぁ。
そして「うどんや」はネタ出しだったんだけど、「実は先ほど楽屋帳を見ていたら、私2年前にここでやっていたんですね」「まぁ、2年前ですからこの2年で私の芸が…落ちたところを見ていただくというのも…」とにっこり。
 
そんなふうにして始まった「うどんや」。
酔っ払いが絡む、うどんやが謝る、のふわふわした会話の繰り返しが楽しい。
でもこの日の「うどんや」、酔っ払いが帰ってからうどんやに声をかけて食べ始めたおねえさんの色っぽいこと。そしてうどんを食べながらのろけるのがもうなんともいえずかわいくてしゃれてて…サゲも素敵だった!
帰る時に師匠に「あれは?」と聞いたお客さんがいて「オリジナルです」とのこと。
小満ん師匠の落語って誰にも真似できない小満んワールドが広がっていて、それを大の大人が面白いお話を聞かせてもらう気持ちで集まってきている感じがしてすごく楽しい。