りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小んぶにだっこ

9/5(木)、落語協会で行われた「小んぶにだっこ」に行ってきた。

・小んぶ「臆病源兵衛
~仲入り~
・小んぶ「船徳


小んぶさん「臆病源兵衛
昇々さんとの落語会で九州に行ってきた、という話から。昇々さんのことはあまり知らなったんですけど、変わった人ですね。私も変人呼ばわりされますけど同じぐらい変人ですね。
主催者の人が迎えに来てくれて話していた時に昇々さんが「僕、日々の記憶がないんですよね」と言っていて。日々の記憶がないってなんだろう?と思ったんですけど。たまたまその日九州が涼しくて「思ったより涼しいですね」と言ったら「いや、今日はたまたまですよ。昨日までは暑かったですよ。東京は暑いですか?」と主催者。そうしたらそれに昇々さんが「いやぁ…わかんないっすね」。
ええ?東京の天気がどうだったかわかんないの?ああ、確かに記憶がないんだな、と。そう思いましたけど。
それから楽屋で二人で話していて「僕、友だちいないんですよ」と昇々さん。「あ、僕もそうです。いないんです」と小んぶさん。お互いにいかに友だちがいないかを述べあいましたけど…友だちにはなりませんでしたね。

…ぶわはははは!!!おかしすぎる!!
それから真打披露パーティのお手伝いに行った話や新真打の記者会見を見学した話。これもおかしかったーーー。小んぶさんはたぶんべたべたした付き合いをしない人なんだと思うけど、いろんな人から好かれていると思うなー。前回のことがあるからまくらは短めにおさえて(笑)「臆病源兵衛」。

源兵衛の怖がり方がドスが聞いていてすごく可笑しい。地の底から湧き出るような声で「うわあぁぁぁぁーーーー」と言うのがいちいちおかしくておかしくて。
兄貴分も八五郎も小んぶさんがやると迫力がある。
源兵衛が八五郎を殺しちゃったと思い込んだ兄貴分が「まぁいいよ。捨ててきなよ」とけろっと言うのもおかしいんだけど、源兵衛が「一番怖いのが兄貴だな…」とつぶやくのもおかしい。

自分が死んじゃったと思いこんだ八五郎が、おでに貼られた三角の紙を「貼っておこう」ともう一度貼りなおすのもおかしい。
何がおかしいって台所に酒を探しに行った源兵衛が酒の徳利と間違えて持ったものが…もう不意打ち過ぎてひっくり返って笑ったわーこの独自のセンスがたまらないなぁ、小んぶさんは。いやぁ楽しかった。笑った笑った。


小んぶさん「船徳
さっきの「臆病源兵衛」は雲助師匠に教えていただきました、と小んぶさん。
みなさん私が勝手にやりすぎてるとお思いでしょうけどそんなことないんです。雲助師匠に教わった時に師匠から言われたんです。「この噺は源兵衛がキャーキャー言ってるだけになりがちだけど、そうじゃいけない」って。だからあれは雲助師匠に教わった形なんです。
なにせ私は雲助師匠が大好きでして。師匠が寄席に出てるときは必ず袖で聞くようにしてるんです。師匠が冷房の効いた店に入って風が当たることをこんな風に話してた、という話も面白かったー。
好きな噺家さんが誰に教わったとかこの師匠が好きとかいう話を聞くとほんとに幸せを感じるなぁ。

そんなまくらから「船徳」。
徳さんの非人間ぶりがめちゃくちゃおかしい。
おかみさんがお客に「あいつ、船頭だろ」と徳のことを言われて「え?あなた、あれが見えます?」とか「毎日やってきてあんなふうに船頭みたいなふりをしてるんですよ」とかいうのがおかしい。
徳がはちまきをするしぐさや竿を振り上げるしぐさも芝居がかっていておかしい~。
川に出て橋に芸者がいるのを見つけた徳が「お客さん、ちょっとかがんでください。あの二人、あたしの追っかけなんです」って言ってすごく気取って漕いで見せた後、ちらっとウィンクしたのがもうもう…!
漕ぐのがいやになって突然「着きました」と言うのもおかしいし、はちゃめちゃで楽しい「船徳」だったー。