りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭2月中席夜の部

2/12(火)末廣亭2月中席夜の部に行ってきた。
陽子先生の途中から入ったんだけど、代演含めて好きな人ばかりという幸せな並び。

・陽子「カルメン
・伸治「あくび指南」
宮田陽・昇 漫才
・南なん「短命」
~仲入り~
・遊喜「真田小僧
・小助・小時 太神楽
・夢花「疝気の虫」
・可龍「こうもり」
・南玉 曲独楽
・遊吉「城木屋」


伸治師匠「あくび指南」
にこにこ笑顔で登場。
客席を見渡して「今日は夕べの半分ぐらいのお客さん。これぐらいがいいんです!立ち見なんか出ちゃうともう大変。お客様がね、後ろに立って、こういうふうに腕組みしてにらんでるの。”なんでこんなもんに三千円も払って立って見なきゃなんねぇんだよ!”って。それに比べたら今日はこうしてゆったり座っていただいてね…出てくるあたしたちもふわふわした芸でね…だいたい今日なんか誰がどこに出てるのかめちゃくちゃだしね…寄席はね、それがいいんですよ」。
そんなまくらから「あくび指南」。
伸治師匠の「あくび指南」は何度か見ているけど、今日はもういつも以上にご機嫌で座布団の上ではねるようでもうかわいいしおかしいし癒される~。癒されるっていう言葉使いたくないけどこれを癒しと呼ばずして何を癒しと呼ぶのか。

あくびの稽古に行く男がもう最初から最後までご機嫌で楽しんでいて、それを受け入れるあくびの師匠もご機嫌で、ほんとに楽しい。
師匠があくびの説明をするところ。四季のあくびの説明をしたあとで「難しいのは寄席のあくび。これは二つ半。3つすると噺家が即死するから二ツ半。ここが難しい。」「もっと難しいのが臨終のあくび。ここまでいくと師範級」。
そして師匠のあくびの見本がきれい。ここが肝心だよねー(笑)。
たっぷりの「あくび指南」楽しかった~。


夢花師匠「疝気の虫」
わ、うれしい!この噺を寄席で聞けるとは。しかも夢花師匠で。
おかみさんがお蕎麦を食べるところでつい「そば清」を思い出してしまった。夢花師匠といえばこの噺という印象が強いから。
お蕎麦を食べて元気になってエイヤエイヤやりだす虫の動きが独特でおかしい。
楽しかった。


遊吉師匠「城木屋」
落語がどんなふうにして始まったか、最初の寄席、三題噺のまくらから、「城木屋」。三題噺のまくらで、「城木屋」だな!と気づく私は遊吉師匠ファン。
どちらかというとちょっと「おえっぷ」となる噺だけど、遊吉師匠のふわっと軽くてめちゃくちゃ速い喋りだと最初から最後までとってもおかしい。
すごいと思うんだ、この師匠の喋りのスピード。テンポよくよどみなく次々言葉が出てくるんだけど「どや!」なところが全くなく自然でとても聞きやすい。

この噺の聞かせどころはお裁きの時の丈八の「東海道中膝栗毛」尽くしでシャレる言い立てだと思う。遊吉師匠の場合は、ここがもう流れるようにつらつらつらーーーっと言い立てるんだけど、力の入ったところが全くないの。
話を始めた時に「府中」と聞くと我々はお馬さんのいるところを思うけどそうではなく、当時は東海殿53次に入っている静岡の府中宿を指していますと言っていたのが印象に残っているので、サゲもストンと理解できる。楽しかった!