りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭6月中席夜の部

6/12(火)末廣亭6月中席夜の部

ぴろき ウクレレ漫談
・談四楼「三年目」
・遊三「ぱぴぷ」
~仲入り~
・松之丞「天保水滸伝 鹿島の棒祭り」
東京ボーイズ 歌謡漫談
・圓馬「高砂や」
・遊吉「紀州
・喜楽・喜乃 太神楽
・小南「ちりとてちん

談四楼師匠「三年目」
談四楼師匠が末廣亭に上がるのは25年ぶりとのこと。
うちの師匠が「寄席なんか出るか」と啖呵を切って協会を飛び出したとき、寄席側からも「お前らなんか出すもんか」と言い返され、それ以来…。
今回末廣亭様のご厚意と落語芸術協会の懐の広さのおかげで出られます、と。

いやほんといいよーこういうの、めっちゃうれしい。落語ファンからすれば。
そして何をやるのかと思ったら、「三年目」!!ぶわはっ。やるな、談四楼師匠!
この芝居、談之助師匠との交互出演なんだけど、談之助師匠はきっとサービス精神モリモリの「懐かしのヒーロー」をやるんだろう。それに対して談四楼師匠が「三年目」。
ものすごくよく笑う陽気なお客さんだったんだけど(ぴろき先生の時は引くぐらいの笑い声が起きてた)それをしーんと静まり返らせる。
おもしろいなぁー。そしてしーんとさせて、サゲでくすっと笑えるからね、この噺。
よかったー。

松之丞さん「天保水滸伝 鹿島の棒祭り」
松之丞さん目当てのお客さんも結構いたようで「待ってました!」の声があちこちからかかる。なんか異様な雰囲気。
その人たちの期待を裏切らない、熱い高座。
うーん、すごい熱量。ちゃんと笑いもとるし、たいしたもんだ。
でも流れ的には後に出てくる人たち、やりづらいわ…この雰囲気。
東京ボーイズ先生がいい具合にふわっと沈めてくれてちょっとほっ…。


圓馬師匠「高砂や」
わーい、圓馬師匠。
「かずえのことは譲ってやった」って何のことかと思ったら、福山雅治との結婚の話だった(ぶわはは!)。
ちょっと時期的にビミョー?そして福山ショックの方じゃなく奥さんになった和恵さんの方っていうのもおかしい。
そんな度肝を抜かれるまくら(笑)から「高砂や」。

最近若手の噺家さんでこの噺を聴く機会が何回かあってそのたびにこの噺って難しいんだなぁと思っていた。
繰り返しが多いから聞いていてだれちゃう。
でも圓馬師匠はそんなことがなくてとっても楽しい。
なんだろう、テンポ?だけじゃなくてノリっていうか、なんかこう…ビートっぽい何か。ぐわっと前にきたり、すっと引いたり、そういうのが絶妙。
そしてご隠居が歌いだしたとき、すごく本格的な雰囲気があってかっこよかった~。


遊吉師匠「紀州
まくら長め。いつもの小噺をあれこれ。ノリのいいお客さんだったけど最初の小噺(貧乏な人が草を採ってる噺)への反応があまりにもなかったので、あれ?ってなったのかな。そのかわり、娘に「お前男ができたのか」と父親が尋ねる小噺はバカ受けだった。つかみづらい!

まくらと地続きのような感じでかるーく「紀州」。こういう噺を軽~くしちゃうから遊吉師匠はかっこいい。
「ここで笑えないと、あと笑うところありませんよ」っていうのも、遊吉師匠にふわっと言われるとつい笑ってしまう。楽しかった。


小南師匠「ちりとてちん
このお客さんたちに果たして小南師匠はどうなんだろうと心配してたんだけど大丈夫そうだったので、ほっ。この噺の選択はよかったなぁ(←何様や)。
お世辞のいい客がいちいち「そういうものがあるとは聞いたことがあったけど食べるのは初めて」と言うのとか、知ったかぶりの金さんがいちいちカチンとくる物言いをするのとか、この師匠の独特の喋り方と合っていてとっても面白かった。