りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第11回大岡山落語会

6/25(月)、「第11回大岡山落語会」に行ってきた。
前から気になっていた会。たこ平さんだけ見たことがなかったんだけど、小んぶさんも花いちさんも大好きなので行ってみた。
googleナビだけが頼りの方向ド音痴なんだけど、どうもナビが斜めに入る道は苦手なのか?途中でだんまりになってしまうため、駅のまわりを行ったり来たり。15分ほどぐるぐるしてもうだめだ!と、会に行くと言っていた友人にLINEして落ち合ってどうにかたどり着くことができた。ぜいぜい…。


・たこ平、小んぶ、花いち トーク
・花いち「ふぐ鍋」
・たこ平「猫の災難」
~仲入り~
・小んぶ「三方一両損


たこ平さん、小んぶさん、花いちさん トーク
お友だちがこの会のトークを見ると小んぶさんがしっかり者に見えてくると言っていたんだけど、納得!
誰一人前へ出ようとしないし、誰一人トークを仕切ろうとしない(笑)。
全員がわちゃわちゃふわふわしていて、でも香盤があるからなんとなくほかの二人はたこ平さんに委ねてるつもりなんだけど、当のたこ平さんが一番のマイペース!
見ていてめちゃくちゃおもしろい。好きだーこの空気。

前回からの近況報告になって、花いちさんから譲ってもらったチケットで劇団 新感線のお芝居を見に行ってきたというたこ平さん。
みんな、お芝居とか普段見てる?というような話題になったら、花いちさんが以前お芝居をしたことがある、と。
それはおさん師匠が言い出しっぺのお芝居だったらしいんだけど、脚本もみんなで作って大道具小道具ももちろん手作り。
新宿ゴールデン街にある小屋で上演したらしい。

花いちさんの役は悪魔の手下。
大道具に牢屋が必要だったので針金で作ったんだけど、何か(?)を降らせる必要があってみんなで3時間かかって段ボールをちぎった。
でも実際にやってみたらその段ボールくずが針金から全部溢れちゃう。で、段ボールくずは単なる屑と化した…。

「で、結果どうだった?」と聞かれると、「終わるや否やアンケートをばん!って叩きつけて帰ったお客さんがいましたね。見てみたら”意味不明”って書いてありました」。

…ぶわははははは。最高におかしい!花いちさん、ほんとに面白い!
その場で出る順番を決めて、トークコーナーは終了。


花いちさん「ふぐ鍋」
さきほどの話しの続きなんですけど、おさん師匠っていうのはうちの師匠の一番弟子で師匠より一つ年上。
すごくいい人なんですけど変わった人で、人付き合いが苦手で人と話すのも苦手で…私もそうなんですけど。
で、ある時二人で百面相をやることになりまして、兄さんの家で稽古することになったんですね。
そのころおさん兄さんとまだそんなに親しくなかったから二人の間には距離があったんです。
家に行くと…8月ぐらいだったんですけど兄さんが「いつもの格好になってもいい?」というんで、いいですよと答えたら、ばーんとパンツ一丁姿に。
そんな姿の兄さんと向かい合って百面相の稽古。…すごいシュールでしたね。
そして兄さんは結構江戸っ子っていうかそういうのにこだわりのある人で火鉢とかキセルとか持ってるんですね。
それで吸って見せてくれたんですけど、落語でしぐさをやるためにはやっておいたほうがいいよっていうんで私にも貸してくれたんです。
で、やってみようとしたんですけど、私…気になっちゃったんですね、吸い口。あにさんが口付けたままってことに。
そうしたら兄さんが気が付いてくれまして、「ああ、そうか」ってもう一度自分で持って…ふだんの落語のしぐさが出たんでしょうね、腿のあたりでぬぐったんですけど、それ…パンツ…。
「はい」って渡されて思わず「いやですよ!!」って言っちゃってました。

…ぶわはははは。
花いちさん、面白いなぁ。なんかこの方もとってもマイペース、でもほんとにやさしいっていうか毒がないから、気持ちよく楽しいなぁ。おさん師匠もほとんど見たことがないんだけど、会に行ってみたくなった。好きだわー。

おさんあにさんっていうのは見た目がアジア系っていうかワッキーみたいな感じで、私も…ね?アジア系でしょ?だから二人でよく落語会をやったりもするんですけど、日本人が一人もいないっていうね。
…って…あなた!二人とも日本人でしょ!わはははははは。

そんなまくらから「ふぐ鍋」。
まくらだとふわふわした語り口なのが、落語に入るとしっかりするのがまたおかしい。
ふぐ鍋をすすめられるまではどれもこれも喜んで飲んだり食べたりしていた男が、ふぐと知って突然用事を思い出すのが面白い。
そしてお酒おいしそう~塩辛もおいしそう~。最後はふぐもおいしそう!
もしかしてこれは小せん師匠からかな?なんて思ったりしながら、とっても楽しい「ふぐ鍋」だった。


たこ平さん「猫の災難」
たこ平さんは初めてだったんだけど、話し始めてすぐに、うわっすごく好き好き!とってもタイプ!
最初くまさんがせっかくの休みなのにお金がなくてお酒を買ってこられないのを悔しがってて、そこへ隣のおかみさんが通りかかって声をかけてくれて鯛を手に入れて…そのくだりがすごく自然で絵が浮かんでくるようで…
そして時々こう内側から湧き出るような感情の吐露のような大声!
なんかこういう…内省的、だけど、時々うぉーーみたいなこの感じ…。暗くて明るい。これに弱いのだ。

お酒をちらちら見るしぐさとか、飲んでいてどんどん気が大きくなるところとか、まぁいいやなんとかなるだろ、そうするしかないよっていう開き直りとか、すごくリアルで憎めなくて楽しい。

いやぁー楽しかった。そしてまた好きな噺家さんが…(もうどうするんだこれ以上増やして…。


小んぶさん「三方一両損
ワールドカップ見てますか?と小んぶさん。
客席の反応に「…興味なし」。
いやいいんです、興味なくて。私もないんです。
なにせうちにはテレビがなくてですね。でもこういうときってなんですか普段サッカーに興味がないような人も日本を応援して、見てない興味ないって言うと非国民みたいな、そういう感じあるじゃないですか。
楽屋もそうなんです。普段みんなサッカーになんか興味ないのに、「いい試合だったな」「よかった」みたいに言ってて。
私は結果すら知らないもんですから、みんなが話してるのをそっと見ていて、とにかく同調。非国民と言われないように。

そもそも愛国心とかっていうのがないんですかね、自分には。
あ、でもね。外来種ってあるじゃないですか。ブルーギルとか。
それと逆のことがあって。
日本にいると害があるように言われていない鯉なんかも、イギリスとかだとすごい害があるらしいんですね。
なんでも食べちゃうし強いし汚い水でも死なない。だから鯉が異様に増えてイギリスでは困ってたりするらしいです。
それを聞いた時にね、「いいぞ!」って思ったんです。これが私の愛国心

…ぶわはははは。
なんか違う。でもわかる。ちょっと。

そんなまくらから「三方一両損」。
何度か聞いているけど、前聞いた時よりぐっと迫力がましていてよどみがなくなっていて、すごい!
スカっと楽しい。
それに、小んぶさん独自のふわっとしたテイストが加わるから、そこがとってもおかしい。

例えば、金太郎の話を聞いた大家さんが「…情緒不安定?」とか。けんかの様子を見ている大家さんが「いいぞ。髷のむしりあいに入った!いいぞー。むしれーー」とか。

押すばかりじゃない引いた笑いもあるから、とても気持ちよ~く聞ける。
楽しい!

いやぁすごくいい会だった。
三人会で三人ともが面白いってすっごく貴重。
場所がわかりにくかったけどもう覚えたし、また行きたい。
次回は8月7日とのこと。