りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

七夕金原亭夏夜噺

7/7(金)、日本橋社会教育会館で行われた「七夕金原亭夏夜噺」に行ってきた。

 

・駒六「うなぎ屋」
・白酒「千両みかん」
・馬好「らくだ」
~仲入り~
・馬治「豊志賀」
・雲助「汲みたて」

駒六さん「うなぎ屋」
前座さんでこの噺?!というのにも驚いたけど、ちゃんと面白くてそれにも驚いた。
きちんとした前座さんらしい落語なのに間で笑わせるってすごい。


白酒師匠「千両みかん」
「千両みかん」でも白酒師匠がやるとこんなにも面白くなるのか。
スピードがあって無駄なところが全然なくて、だけどたっぷり面白い。やっぱりすごいな、白酒師匠は。
みかん問屋で次々みかんを開けていくところのフェイントが最高にバカバカしくておかしかった。


馬好師匠「らくだ」
おおお、レアな師匠が!
馬好師匠といえば、2014年に末廣亭で行われた「十代目金原亭馬生三十三回忌追善興行」で初めて見て度肝を抜かれ「うおおお…馬生一門…おそるべし」と思ったのだが、最近名前を聞いた覚えが…と思ったら、談吉さんが馬好師匠の話をされていたのだった。

mritu47.hatenablog.com

 寄席でもめったにお目にかかることができない師匠。その師匠に一番噺を教わっているという談吉さんが最高だなー。しかも「どういう師匠ですか」と聞かれて「噺を教えてくれる時の顔の位置が近い」って…。ぶわははは!

まくらなしの「らくだ」、面白かった。
らくだやその兄貴分がいかに乱暴で人を脅しつけて生きてきたかを前半でたっぷり描いているので、くず屋が酔っぱらい始めてからの立場の逆転がとても爽快。
くず屋が3杯目の酒を少な目に入れてもらって、それを飲んでるうちに饒舌になってきて、あれ?なんか少ない?といぶかしげにするところがいかにも酒飲みらしくおかしかった。

馬治師匠「豊志賀」
この位置でこの噺で最初のうちとてもやりづらそう?な印象があったんだけど、徐々に乗ってきてとても面白かった。
この噺を聴いたことがなかったので、いったいどうなっていくのかとほんとに固唾をのんで聞いていた。

馬治師匠の女性はいいなぁ…。とてもきれいですっとしていて色気があって…それだけに嫉妬に狂って病気になって美貌が失われて、自分を見失っていく豊志賀が哀れで辛い。
豊志賀といい仲になる新吉がまた絶妙な人物像で…豊志賀が疑うほど移り気なわけじゃないけれど、嫉妬に狂って病に伏せっている豊志賀の面倒を見ながら徐々にうんざりしてきていて「もうここまでやったんだからいいだろ」と言うのがリアルでぞくぞく…。

こんなに暗い噺なのにちゃんと笑いどころもあって、すばらしい。よかった~。


雲助師匠「汲みたて」
今からやる噺、さきほどの噺と若干「付く」し、金原亭でこの噺をやるものもいないんであれなんですけど、主催者からのリクエストなので、と言いながら「汲みたて」。
いやもうこれがほんとにひっくり返るぐらいおかしくて笑った笑った。
雲助師匠も実に楽しそうにされていて…そして「豊志賀」と付くところがあるのにまるで違うところがまたすごくおかしくて。

お師匠さんとできてる半公のことを「片栗粉の袋みたい」っていう台詞。目に浮かんできて大爆笑だった。

 

いい会だったー。絶妙の組み合わせで、噺も絶妙のチョイスで。大満足。