末廣亭12月下席夜の部(1日目)
まだ私が一生懸命働いていたころ(←
ということは、落語の疲れは落語でしか癒せないのだ!末廣亭の疲れは末廣亭でしか癒せない!
とおかしなテンションで末廣亭へ向かう。
・扇辰「雪とん」
・歌之介 漫談
~仲入り~
・菊千代「雑排」
・ペペ桜井 ギター漫談
・朝馬「蜘蛛駕籠」
・南喬「粗忽の釘」
・勝丸 太神楽
・今松「三井の大黒」
扇辰師匠「雪とん」
仲入り後からでいいかなと思っていたのだが、
長いこと苦手だったのに不思議なもんだなぁ。
浅めの出番だからショートバージョンだったんだけど物足りなさは
それぞれの人物がくっきり。
佐七がお糸の袖をつっと引っ張って、
一回も…くすりとも笑えなかった。
さん助師匠の「雑排」
ペペ桜井先生 ギター漫談
好き好き。毎回同じでも全然いい。
朝馬師匠「蜘蛛駕籠」
浅草で見た時はいつも漫談だけだったので今日もきっと同じでしょ
やりながら「この噺疲れるな…そのわりにウケないし。
…ぶわははは。
でもあの浅草でウケる漫談より私はこっちの方がうれしい。
南喬師匠「粗忽の釘」
南喬師匠は小三治師匠のトリの時に通って見ていて毎回面白くて大
八っつぁんの粗忽ぶりがわざとらしくなくて、
「落ち着かせていただきます」と上がり込んでからの「ええ。
そしてサゲも違ってるんだよな。
もっと見たいな、南喬師匠。
勝丸さん 太神楽
なんだろう、このインチキ感(笑)。
今松師匠「三井の大黒」
職人の地位が低くなっている。
京にいる甚五郎のもとに「大黒様を彫ってください」
引き受けたもののその気になれないのか毎日酒を飲んでぶらぶらし
京にも飽きたから江戸へでも行くかと金を手に江戸へ向かう。
そこで江戸の大工が仕事をしているところを見ながら「
江戸へ来る前の場面が扇辰師匠や扇遊師匠にはなかったんだけど、
また甚五郎もそんなに天然って感じではない。ぽんしゅーというあだ名もつかない。
甚五郎が名前を聞かれてごまかしたとき、政五郎は「
初日に現場に行って「木を切れ」と言われて、
おかみさんが文句を言い始めたので政五郎は甚五郎を呼んで「
この腕前なら大丈夫だろうと他の現場に行かせてしばらくすると、客から苦情が来る。
政五郎が甚五郎を呼んで言う。
京都と江戸では仕事の仕方が違うのだ、と。
京都では丁寧な仕事をするが江戸は火事が多いこともあって丁寧よ
お前の仕事は丁寧で見事だが江戸では歓迎されない。
腕を磨こうと思って江戸に来たのだったらそれは無理だ。
でも今すぐ帰ることはない。
なるほどーーー。
なんか今までこの噺に感じていた疑問というか違和感がすべて払拭
初日に見事に木を切って帰って来てそれ以降二階でぶらぶらするよ
あといきなり大黒を作り始めるのではなく、
猫の手も借りたいぐらいだったのにいきなり彫り物をするっていう
甚五郎が風呂へ出かけていき政五郎が仕事を見てみようと二階へ上
客が訪ねてきてあいつが甚五郎と分かっても、
ああっ、いいなぁ今松師匠の落語って。
ごくあっさりしているんだけど何も不足がないし、
やっぱり私はこういう落語が好きだなー。
その語りの中にすべてが入っていてその世界がしっかりしているから、安心して身をゆだねられる。
素敵だ。今松師匠。