りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭8月中席昼の部

8/15(月)、末廣亭8月中席昼の部に行ってきた。

・喜之輔「出張中」
・夏丸「開眼式」
・章司 江戸売り声
・柏枝「時そば
・夢丸「山号寺号」
・ひでや・やすこ 漫才
・伝枝「目薬」
・歌助「桃太郎」
・真理 漫談
・円丸「お菊の皿
・鯉昇「粗忽の釘(ロザリオ編)」
東京ボーイズ 歌謡漫談
・南なん「置泥」

喜之輔さん「出張中」
今丸師匠のお弟子さんと言っていたような…。ということは紙切りの前座さんなんだな。落語家でなくても前座さんは落語を覚えてやらないといけないから大変だよなぁ。明らかに落語で入った人よりたどたどしくてドキドキするんだけどある意味貴重なものを見られた!という喜びが。
喜之輔さん、落語の前座さんに比べるとたどたどしいんだけど、「ディズニーシーがあるならディズニーAやBはあるのか」「あるよ。ディズニーAはアメリカ、ディズニーBはブラジル、ディズニーCは千葉だ」でウケてちょっとうれしそうだったのが印象的。

夏丸さん「開眼式」
いろいろな地方の名産を次々に挙げていく、これってなんの噺だったっけ?「鹿政談」?いやでもまさかこの時間で「鹿政談」をやるわけはないか。
「奈良と言えば鹿。私も一度行ったことがあります。修学旅行で」と言ったあとに「これなんですけどね」と中学時代の集合写真を懐から取り出したのには笑った。

そこから大仏様の眼が崩れて関係者がどうしようかと困っていると現れた親子連れが自分たちに直させてくださいというのでやらせてみると、息子が大仏の中に入って行って眼を直し、鼻の穴から抜け出してくる、という噺。
初めて聴いた!面白い~!!
夏丸さんって見た目とのギャップがあってそこが魅力だなぁ。この芝居で通っているうちにどんどん夏丸さんが好きになってきた!

柏枝師匠「時そば
夏に「時そば」とはちょっと季節外れ?と思ったのだが、これがべらぼうに面白い「時そば」だった。
一人目の客のところはすーっと渋くやっておいて、二人目の客のとほほぶりが顔芸も含めて激しくて大爆笑。
特にうどんのような太いそばを口に入れてぶちゅーっと食べる様子がおかしくておかしくて。
やっぱり計り知れないわ、この師匠。

夢丸師匠「山号寺号」
前にほかの人で聴いて「つまらない噺だ」と思ったのだが、夢丸師匠がやるとこんなに楽しいのか!
客席にお子さんがいたからこの噺にしたのかもしれないな。わかりやすくてお子さんもけらけら笑ってた。

円丸師匠「お菊の皿
沸々とした気持ちを落語らしい落語で落ち着かせてくれる。ほっ。
これがサゲだねと客席が拍手をしたら「え?まだ終わりじゃないんだけど、なに?終われってこと?あ、そうか。ふつうはここでサゲだもんね。でも私の場合はまだ続くんです。やってもいいでしょうか。あ、拍手…していただくほどのものじゃありません」
そう言ってやられたサゲが確かにちょっと一ひねりしてあって面白かった。

鯉昇師匠「粗忽の釘(ロザリオ)」
出囃子が鳴って「ええ?まさか!!」と驚いているとほんとに鯉昇師匠が!わーい!
いつものように熱演はしないまくらから「粗忽の釘」。
何度も見てるけど毎回笑ってしまう。
体の使い方がとってもうまくてちょっと体を斜めにして「ええ?」と驚いたり、目をぎょろっと開けて二度見したり、それだけでどっかんどっかんウケる。すごいなぁ。

南なん師匠「置泥」
南なん師匠の「置泥」はほんとに南なん師匠の魅力が前面に出ていると思う。ほかの誰のとも違う「置泥」。
泥棒の人のよさはほかの噺家さんでも見ることができるけど、入られる方の男をこんな風に魅力的に描かれているのは見たことがない。

最初はほんとに生きる気力も失っていたかのような男が泥棒からお金をもらって徐々に頬に赤みを帯びてくる。
相手に付け込んでるというよりは、甘えられる相手を見つけてほっとしてる感じがして、なんだか憎めない。

最初に合口をチラつかせて脅し文句を言う泥棒が「そう言ってたよな。だから殺してくれ」と言われると「やめろよ。あれは俺たち泥棒の決まり文句なんだよ」と答えるのがなんともかわいい。
しぐさの一つ一つ、言葉の一つ一つが楽しい!