りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

喬太郎独演会 with 東京シティフィル

3/13(水)、ティアラこうとうで行われた喬太郎独演会 with 東京シティフィルに行ってきたのである。
ティアラこうとうの小ホールはキャパが140名と小さいため、チケットサイトではまさに秒殺だったのだが、ラッキーにも別の手段でチケットを入手することができたのだ。
行ってみたらこじんまりしていてとても居心地のいいホールだった。こんなに近くで見られるなんて…と感激。

・開口一番 柳家喬四郎「つる」
柳家喬太郎「たいこ腹」
〜仲入り〜
・東京シティフィル四重奏
柳家喬太郎「百川」

開口一番は喬四郎さん。
始まり方がいつも一緒なんだなー。「落語の方で言いますと出てくるのは八っつぁん…」
いつもこれでなくてもいいのでは…。って私が来すぎだからいけないのね、喬太郎師匠の落語会に。
そしてああまた「つる」か…。これあんまり面白くない噺だよねぇ。ていうか、結構難しいよねぇ。
前にさん坊さんのを聞いたときは「だるい…」と思ったのだが、喬四郎さんはテンポが良かったのでそれほどだれなかったけど、でもそもそも面白みが少ない噺なんじゃないかなぁ。

ということを帰ってから旦那に話したら「どういう噺?」って言うので、「あのね…」と説明したら、私が「雄の首長鳥がつるーーーって飛んできて」と言ったら、旦那が「ぶっ」と笑った。
その後、「つーーーっと飛んできて、るっと止まった」と言ったら、また「ぶぶぶっ」。
最後まで聞いて「結構面白かった」。
…おれってビッグ?(←違う)

喬太郎師匠の1席目は「たいこ腹」。
お得意ですね。なんたってアドバンテージがありますものね。>自腹の。
私は喬太郎師匠のしか見たことがないんだけど、他の人の「たいこ腹」はどうなんだろう?きっとここまでじゃないよね。
本寸法が好きな人は怒るんだろうなーという弾け方だったけど、私はこれぐらい弾けてくれるとうれしいな。

そして必ず前の人のやった噺を上手に自分の噺に入れる喬太郎師匠。
「まさか、つーっときて、るっと止まったんじゃ?」というセリフに、「つる」のどの部分よりもウケていて喬四郎さんが少し気の毒になったりして。 面白かった。

仲入り後は高座の代わりに椅子が4客セットされて、東京シティフィルの方が登場。
チェロの方がマイクを持って話をされたんだけど、面白い!いまどきの演奏家はトーク力も必要なのね…?
し、しかし、落語聴きに来て四重奏を4曲聴くというのはどうなんだろう。
例えば落語とバイオリン1台のコラボとかだったら面白いしやる意味があると思うんだけど、この構成は無理があるような…。
そしてもももしかしてこれでたっぷりコンサートやって終了なの?独演会と言いながら噺は1つだけ?と不安がよぎる。
一生懸命演奏している方々には申し訳ないのだが、そこばかりが気になってしまった。

四重奏の方々が引いたあとは幕が下ろされ高座の準備。
ほっ、あと1席聞けるらしい。よ、よかった…。
そうならそうと最初からわかっていればもう少し演奏も楽しめたかもしれない。

準備が終わって登場した喬太郎師匠。
「もう落語いらなくねぇ?」 …わはははは。
いやそんなことありませんて!落語を聞きに来たんですから!お願いしますよ!
と思いながらも、確かにさっきまで音楽をやっていた空気の中でまた落語っていうのは、かなりシュールなものが…。

「ホワイトデー」のまくらで「まままさかまたあれ?」とドキドキし、「くらげ」という言葉に「そういう新作もあったよね?」とドキドキし、赤穂浪士の話に「もしやまたカマ?」とドキドキしていると、祭りの話から「四神剣」という単語が…。
わーーー「百川」だーーー!

と、ここで「百川」と大きな声で言ったおじいさんが。
あ、あなた…映画館に行って隣の人にあらすじしゃべるタイプですね?おれは知ってるんだぞって一緒に来た人に示したかった?
その気持ちはわからんではないが、ちょっと無粋なのでは…。なんてことを生意気にも思ったり。

これ、百兵衛さんを強烈にやられると鼻について嫌なんだ。
なんといっても私が好きなのは小三治師匠の「百川」。
呼ばれて百兵衛さんが「うーぴゃっ」と答えるところ、小三治師匠のがほんとうにかわいい。
ってまだ全部で4人ぐらいしか聞いたことないんだけど。

喬太郎師匠だからもしかして百兵衛さんを変態チックにやったりして?と思ったけど、喬太郎師匠の百兵衛さんは穏やかでおっとりしていて抑え目な感じ。
それに対して勝手に聞き違えていなさに受け答えする初五郎と「そうかなぁ?」と首をひねる他の職人たちがおかしい。
正直言ってやはりどうしても大好きな小三治師匠と比べてしまうのだが、でも喬太郎師匠の「百川」もよかった。