りつこの読書と落語メモ

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さん助燕弥ふたり會

9/30(月)、お江戸日本橋亭で行われた「さん助燕弥ふたり會」に行ってきた。

・こごと「道具屋」
・さん助「黄金の大黒」
・燕弥「転宅」
~仲入り~
・燕弥「目薬」
・さん助「居残り佐平次


さん助師匠「黄金の大黒」
ライブなんかでミュージシャンの人って歌う前に熱い想いを語ったりしますよね、とさん助師匠。こういうことがあってその気持ちを歌にしましたとかだれだれに捧げますとか…そういうの…やる前にくどくど言うのいやですね。
その点落語はそういうのなしで話し始めますから…。

今日私がネタ出ししている「居残り」ですけど、これは小はん師匠に教わりました。
私前座の頃、小はん師匠にかわいがっていただいていて…会のお手伝いに呼んでいただいたりしていたんですが、その時に師匠から「お前、今噺を幾つ持ってる?」って聞かれまして…「7つです」と答えたら「少ないな…なんか覚えたい噺があったら教えてやるよ」と言われて。「じゃ、居残り佐平次を教えていただきたいです!」って答えたんです。
ご存知の通り「居残り」はなりたての前座が覚えるような噺じゃないです…。でもたまたま前の日に師匠が会で居残りをかけているのを聞いていて、いいなぁ!!って思ったんです。それでついそう言っちゃったんです。
他の師匠だったら「ばかやろう!」って怒られるところだったんですが小はん師匠は「うーん…」って言ってしばらく考えて「いいよ。じゃ教えよう」って。

小はん師匠の自宅で教わりました。45分ぐらい。師匠の自宅には長火鉢があって…小はん師匠は普段から着物ですから着物を着た師匠と差し向い。
で、教えてもらったあとに「今度はいつ聞いていただけますでしょうか」って聞くのがいつもの流れなんですね。なのに私なにをとちくるったか…「喋ってあげますよ」って言っちゃったんです。大先輩に向かって前座が喋ってあげますよっていったい…。
でもそれも小はん師匠は「ぐわはははは!!」って大笑いで…。

で、その時に言われたのは、居残りは教えるけど前座ができる噺じゃないからこれは真打になったときにやりなさい、と。だから今日の「居残り」はネタ卸しです。落語話す前にくどくど言ってみました…。だめですね、これじゃ。

…ぶわはははは。最高!前座時代のさん助師匠…逸話がたくさん残ってるけど、ほんとにだめだめだったんだろうなぁ。それでも落語が好きだという気持ちを汲んでくれてかわいがってくださる師匠がいたんだねー。なんていい話なんだ。

「黄金の大黒」、今回は前半だけ。おそらく「居残り」に賭けてる?


燕弥師匠「転宅」
前座時代の話、懐かしいですね、と燕弥師匠。
そういえばこの会はニツ目になりたての頃から始めたんですけど…泥棒の噺がたくさんありますけど「出来心」は最初の頃に覚えてやるべき噺だと言われてます。でもあれを面白く聞かせるのって結構腕がいるんです。というのは噺自体ふわっとしてますから。

ニツ目になったばかりの頃、浅草の昼の部に出番をいただいて「出来心」やったんですけど、まぁお客さんがクスリとも笑わない。しーん!とさせて降りて来たんですけど、そうしたら袖のところにさん助兄さんがいて私の噺を聞いてたみたいなんです。
それですごい思い詰めた顔をして私に向かって「今の出来心すごくよかったよ!一緒に勉強会をやろう!!」って。
当時そんなに仲良くもなかったですし…え?なんで、おれと?しかも今の客を凍らせた「出来心」を聞いて?って。
でも目が血走ってたし真剣そのものだったので断るのも怖いと思って「わかりました」と。

…ああーーやっぱりさん助師匠から言い出した会なんだ、これって。そしてさん助師匠ってほんとに燕弥師匠の落語が好きなんだなぁ…。なんかちょっとじーん。

そんなまくらから「転宅」。
間抜けな泥棒が家に入ってからの飲んだり食べたり…お酒はおいしそうだし、まぐろも美味しそう。ぬたは「なんだこりゃ?」と言いながら食べると「…うーまいっ!」。
お菊さんはもうどこをどう見てもいい女。
お菊さんに簡単に手玉にとられる泥棒のかわいらしさ。2人の会話がとても軽妙で楽しい!燕弥師匠にとっても合ってるなぁ。楽しかった!

 

燕弥師匠「目薬」
消費税が明日から10%になることについてのあれこれ。とある会での木戸銭の話になって、小傳次師匠の真似をしたんだけどこれがそっくりで大爆笑。うまいっ!

そんなまくらから「目薬」。
これがまたとっても楽しかった。
大真面目におかみさんのお尻に粉薬を入れる旦那のおかしいこと。「助さん角さん」に大笑い。
途中で「袴にわざわざ着替えて目薬かよ…」とぼそっと言ったのがおかしかった~。


さん助師匠「居残り佐平次
意外とちゃんとした「居残り」だった(笑)。
ネタ卸しだから若干かためではあったけれど、佐平次に無理がなくてさん助師匠に合ってる。
パーパーしていて調子がいいけど何を考えてるかわからない感じ。佐平次の怪しさが取ってつけたような感じではなくてとても自然。

どうにか自分が変わり番になる前にお金をもらわなちゃ!と思っていた若い衆がけむに巻かれてしまうところもリアル。
あと、花魁どころか若い衆も来ないとぷんすか怒っていたかっつぁんが、佐平次におだてられてちょっとうれしい、かっこつけてあんまり喜びを表に出さないようにしてるんだけどにやけが止まらないというのも自然でかわいかった。

「居残り」ってそんなに好きな噺じゃなかったけどさん助師匠の居残りは好きになれそう。また見たい。