りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第378回 圓橘の会

9/28(土)、深川東京モダン館で行われた「第378回 圓橘の会」に行ってきた。

・まん坊「ぞろぞろ」
・圓橘 圓朝作 怪談「牡丹燈籠」 仇討編「孝助登場」(前半)
~仲入り~
・圓橘 圓朝作 怪談「牡丹燈籠」 仇討編「孝助登場」(後半)


圓橘 圓朝作 怪談「牡丹燈籠」 仇討編「孝助登場」
前回までが怪談編で今回から仇討編。
平左衛門のもとに中元として奉公に上がったのが孝助という男。仕事ぶりがいいことから平左衛門の目に留まり、声を掛ける。
そこで孝助は自分は両親を亡くしており叔父に育てられたこと、その叔父に頼み込んでようやく武家奉公がかなったことを語り、「お時間がある時に私に剣術の稽古をしてほしい」と言う。
なにゆえ?と聞くと、自分の父親はある侍に斬り殺されたので仇討ちがしたいのだという。詳しく聞いてみると孝助の父親を斬り殺したのは間違いなく自分であることに気づく平左衛門。
孝助を追い払いたくて厳しく剣術の稽古をつけるのだが、孝助は逃げ出すどころか「こんなに一生懸命稽古をつけてくださる」と感謝しみるみる腕を上げる。そんな孝助に平左衛門もいつしか目をかけるようになる。

平左衛門の隣の屋敷に住んでいるのが平左衛門の甥にあたる源次郎。放蕩息子で一時は勘当されていたのを平左衛門が間に入って勘当が解かれたという恩があるにも関わらず、この源次郎と平左衛門の妻のお国は深い仲になっている。

平左衛門の留守にお国が源次郎を自分の寝間に入れ、「平左衛門を殺す計画」を話しているのだが、それを聞いてしまった孝助。
逆に二人から責め立てられ源次郎に棒で殴られる。

泳げない平左衛門を釣りの時に船から落とそうと二人が話していたのを聞いた孝助はそのことを直接平左衛門に告げることもできず、釣りに行くことを留めることもできない。
それならば前の日に自分が源次郎を殺し自害するしかないと思い詰めた孝助は…。


牡丹灯籠は以前龍玉師匠で聞いたことがあったので、筋を追うのに必死ということはなく、細部まで楽しめた。
しかも今回は二席目が終わった後に、お客様の中に当時の法律に詳しい方がいらっしゃるということでその方によるレクチャーもあり。
ほぉーーっと思ったのは孝助の父親は馬廻だったということで身分としては決して高くはないが馬廻というのは決して馬の世話をするだけの仕事をするわけではなく、お殿様の警備をするのが主な仕事だったということ。そんな父親に育てられた孝助なので、自分は今はまだただの下足番にすぎないけれど、殿の命を守るのだという忠義の心は親の姿を見ていて身に着いたものだろう、と。

またこの時代不義密通の罪は重く、証拠を差し出せば、殺しても殺人罪に問われることはなかったらしい。つまり仇討と同じ。
孝助が主人への忠義から二人の前に躍り出たことにもそういう背景があったということだった。

いろいろ勉強になる~。