りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん助燕弥二人會

11/29(水)、お江戸日本橋亭で行われた「さん助燕弥二人會」に行ってきた。


・燕弥「壺算」
・さん助「味噌蔵」
~仲入り~
・さん助「茗荷宿」
・燕弥「付き馬」


さん助師匠「味噌蔵」
まくらなしで「味噌蔵」。
ケチで嫁さんをもらいたがらなかった味噌屋の主人、結婚して1年はおかみさんのところにあったまりに行かず!
でもお嫁さんが子どもができたと告げると、結婚する前はあれほど嫌がっていたのに「そうか。わかった。これからは身体が大事だから無理をしないように」とねぎらいの言葉。お産のために実家に帰すけれど、玉のような男の子が生まれたと聞いて、心の底から嬉しそう。
…おお。なんかさん助師匠のこだわりが伝わってくる。そうなんだよなぁ。子どもができたと聞いて動揺するのはいいけど、がっかりするのはなんか少し引っかかるところだから、これはいいなー。

そしてなんといっても番頭さん。
夢丸師匠が永遠の定吉なら、さん助師匠は永遠の番頭さん(笑)。ぴったりだー。
ケチな主だけど番頭さんがこういう人だから奉公人もまだ続けられてるんじゃないかと思わせる。
奉公人が食べたいものを順番に言うところ。
「あたしはうな丼をおかずにうな重を食べるのが夢だったんです。脂まみれになって死んでも本望です」
…みな極端なものを食べたがり「それで死んだら本望」と言い募るのがおかしい。
酒盛りが始まると変な相撲甚句?みたいのをうなったり、普段酒を飲まないからベロンベロンになっているのが伝わってくる。

楽しかった~。


さん助師匠「茗荷宿」
ドッポで聞いてときとガラッと変わっていてびっくり。
泊まりそびれた江戸っ子二人も、飛脚を殺す夢を見るところもなく、夫婦が飛脚に茗荷を食べさせようと相談するところから。
この間はなかった茗荷のフルコースもたっぷり。

…うおお。やっぱりこうやっていろんな形をためして作っていくんだね、噺を。
その過程を見られるの、楽しいな。


燕弥師匠「付き馬」
若い衆が客の口のうまさに「あ、そうか」と表情を和らげるところがとても自然。
豆腐屋に入って「ごちそうしますよ」と言われて、え?そう?ちょっと悪いね、という表情が絶妙で、それだけに勘定のときに「立て替えといて」と言われて「え??」と驚いて固辞するのが、ですよねぇ…と思う。
この噺、燕弥師匠に合ってるなー。
でもなんか…なんだろう、私は「心眼」が忘れらないんだよなぁ…。もっとああいう噺をやったらいいのに、と燕弥師匠を見るたびに思ってしまうのだなぁ。余計なお世話なんだけど。