りつこの読書と落語メモ

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柳家小三治 独演会

6/18(火)、きゅりあん大ホールで行われた「柳家小三治 独演会」に行ってきた。

・三之助「道灌」
小三治ちはやふる
~仲入り~
小三治「転宅」


小三治師匠「ちはやふる
毎月17日は柳句会。昨日がそうでした、と小三治師匠。5+7+5=17で17日なんだとか。
一番うるさかったやつら(小沢昭一永六輔)が亡くなって、初期メンバーで残ってるのは評論家の矢野誠と私だけ。
これ、いつやめるんだろうね、とお互いに言いながらやってる。
それから先月は中学のクラス会がありました。高校も小学校もクラス会をやらなくなって、今では中学だけ。それももう3年の時のクラスメイトだけじゃなく、他のクラスのやつでも噂を聞きつけて来るようになった。中学では毎年クラス替えがありましたからだいたいの人はわかる。
毎年そんなこんなで20人ぐらい来てたけどそれが今年は少なかった。8名?来ない理由が亭主が病気、自分が病気、具合が悪い、そんなのばっか。そういう意味なら私だって具合悪いんですよ。

それから授業で俳句を教わったときの話。
国語の先生は特攻隊帰り。かなりの威圧感があった。その先生が「とにかくなんでもいいから自分で1つ俳句を作って持ってこい」と言った。
するとクラスメイトの〇〇っていうやつが出したのが「古池や蛙飛び込む水の音」。俳句なんて知らない我々中学生だって知ってますよ、これぐらいは。先生がこれを見て「おい、これは自分で作ったのか?」彼は平然と「はい、自分で作りました」。「誰かに手伝ってもらったり何かを見たりしなかったのか」「いいえ、しません。自分一人で作りました。」。
そう言われて特攻隊帰りの先生が「大変だ。うちのクラスに天才が生まれた!」。
私が作ったのが「寝ころべば猫が鳴くなり軒の下」。これは「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」を参考に作ったんですが、先生には「お前、これは盗作じゃねぇか」と言われました。
中にはきらりと光る俳句もありました。ある女の子が作った俳句がよかったので私がそういうと、彼女は「でもほんとはちょっと(親に)手伝ってもらったんだ」って言ってました。
ちょっと手伝うってなんなんでしょうね。俳句をちょっと手伝うって。最初の5文字だけ親が出してくれたとか?あるいは全体的にアドバイスしたんでしょうかね。

知ったかぶりのまくらから「ちはやふる」。
金さんが「先生に聞きてぇことがある」と訪ねてきてからの会話で、最初のうち先生は金さんの話をのらりくらりとかわそうとしているのが面白い。
百人一首の中にいい男っていうのがありましたよね」
「え?いい男?…まぁ百人もいるんだから一人ぐらいはいい男がいるかもしれないな」
「いやそういうんじゃなくて。いい男。いい男っていったらこいつ!っていう…」
「いい男といったらこいつ?…そんなのいたかな」
でも途中で金さんに「先生は普段からわしに分からないことはないって高慢な面をしてる」だの「近所の人も先生は物知りだって言ってる」とダメ押しされて、覚悟を決める(笑)。
この二人の会話の押したり引いたりがもう絶妙の間でたまらなくおかしい!
なんか今日の小三治師匠は…すごくいい!エモーショナルなのもジャズなのも好きだけど、とてもシンプルで何もたくまない…ザ落語!って感じ。
間がすごくよくてとぼけていて笑った笑った。楽しかった!


小三治師匠「転宅」
高座に上がったとき、座布団の上で身体がぐらり。
わわっ大丈夫か!と驚いたのだが、一番驚いたのは師匠だったかもしれない。
「こんなこと初めてです」とおっしゃっていたけど、どきっとした…。
ホール落語の時の座布団って結構高さあるからなぁ…。どきどき。

泥棒のまくらから「転宅」。
これがまた軽快でとても楽しい。
あんなじじいがあんないい女を…と本気でぷりぷりしている泥棒がおかしい。
小鉢のなんだかわからないぬちゃぬちゃしたものを食べて「うまいっ!!」その声が怒っているのもおかしい。
「伊達には刺さない段平物」とすごんだものの「だってお前さん、何もさしてないよ」と言われて「あ、今日は忘れた」。
「ばかだねぇ、そんな大きな声を出して」と言われれば「(静かにしろぃ)」。
「仲間の家に入っちまったよ」と言われれば「あ、なーんだ!」。
だまされやすい泥棒がかわいいなぁ。
固めの杯をかわして「お菊」「なんだいお前さん」と言われてやにさがるのもかわいい。

タバコ屋さんに「まぬけな泥棒」と言われ、引っ越ししたと聞かされて「ひでぇことしやがる」と涙ぐむ気の毒さ。
チャーミングな転宅、楽しかった!