りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第127回横浜柳家小滿んの会

5/18(月)関内ホールで行われた「第127回横浜柳家小滿んの会」に行って来た。
この会、前から行きたかったんだけど、遠い上に開始時間が早くてなかなか行けなかった。
この日はお披露目を見るために休みをとっていたので、これなら行けるぞ!と半蔵門から関内へ移動。

・小かじ「二人旅」
・小滿ん「大師の杵」
・小滿ん「転宅」
〜仲入り〜
・小滿ん「江戸の夢」

小滿ん師匠「大師の杵」
空海上人の空白の20代を扱った噺とのことだが、初めて聴いた。
非常に見目麗しく頭脳も明晰だった空海上人に恋い焦がれたのがおもよという娘。色目を使っても空海がまるで気づいてくれないので、直接迫るのだが「修行の身の上」と断られてしまう。
想いを遂げられないなら死ぬしかないと脅すと、考え込んだ空海が、それなら今晩私の部屋へいらっしゃい、と言う。
おもよが張り切ってカリスマ美容師のところで髪の毛を結ってもらい、エステに行ってきれいにして部屋を訪れると、布団の中に空海はおらず杵が置いてある。
これはきっと「ついてこいついてこい」という意味だろうと勝手に勘違いして追いかけるのだが空海に追いつくことができず悲観して川に身を投げて死んでしまう。
それを知った空海が自分の修業が足りないせいだと後悔し、女難避けの御札を作って配ったのだがこれがまったくもって不評。なぜなら「女難?ありがてぇじゃねぇか」という男ばかりだから。

深刻に感じられるような噺なのだが、小満ん師匠が淡々と途中でシャレを入れながらやられるとなんとも洒脱で楽しい。
サゲもばかばかしくて好きだ。

小滿ん師匠「転宅」
「転宅」はいろんな噺家さんで何回も見ているけれど、小満ん師匠の「転宅」はすごく小満ん師匠らしくて素敵だった。
泥棒がそんなにまぬけじゃなくて(まぬけではあるんだけど)「ワル」な感じも醸し出していて色気がある。
だから「夫婦のするようなことをしようじゃねぇか」と言われてお菊さんがドキっとして必死で追い払う気持ちもわかる。
その分、「用心棒が二百三高地で大砲を打ってたから耳が悪いんだよ」のバカバカしさが際立っておかしい。
粋でかっこよくて楽しい「転宅」だった。

小滿ん師匠「江戸の夢」
これも初めて聴く噺。
ドラマチックな噺なのだけれど、小満ん師匠にかかるとまったく大仰さはなくなって、夫婦の会話のずれの楽しさが浮かび上がる不思議。
私には難しいことは分からないけれど、小満ん師匠の世界に浸れる幸せを感じながらホールを後にした。