りつこの読書と落語メモ

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絶望図書館: 立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる12の物語

 

 ★★★★

気持ちが落ち込んで、どうしようもない。はげましの言葉も心に届かない。そんなときは、絶望図書館を訪れてみよう。そこには世界中からさまざまなジャンルの物語が集めてある。せつない話、とんでもない話、どきりとする話などなど。すべて、絶望した気持ちに寄り添ってくれるものばかり。今の気持ちにぴったりな物語がきっと見つかる。こんな図書館も世の中にひとつくらいはあっていいだろう。 

絶望しているときにこれらの作品を読みたいかどうかは人それぞれだろうと思うが私の場合は絶望している時に本は読めないから、このアンソロジーを楽しく読めたということは今の自分は比較的元気なのだろうと思う。
そして冒頭に書いてある「本を読まないということは、そのひとが孤独でないという証拠である」という太宰治の言葉に激しくうなづく。

アンソロジーは読んだことのない作者や掘り出し物に出会えるのが嬉しいが、選者の思い入れや感性が垣間見られるのも楽しい。
三田村信行「おとうさんがいっぱい」で始まって、手塚治虫「ハッスルピノコ」で終わるなんて、絶妙の選!嬉しくなる。

筒井康隆「最悪の接触」、アイリッシュ「瞳の奥の殺人」、安部公房「鞄」、李清俊「虫の話」、川端康成「心中」、マンスフィールド「何ごとも前触れなしには起こらない」が面白かった。特に「虫の話」「心中」は衝撃的。2作とも好きな物語ではないけれど、読めてよかった。