りつこの読書と落語メモ

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素数たちの孤独

素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)

素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)

★★★★★

桁外れの数学の才を持つ少年マッティアは、過去に犯したある罪のせいで、孤独の殻に閉じこもっていた。彼は家族や同級生と馴染めずに、みずからを傷つけ続けた。スキー中の事故で片足が不自由になった少女アリーチェ。彼女は、事故のきっかけを作った父を憎みながら育ち、醜い足へのコンプレックスから拒食の日々を送る。少年と少女の出会いは必然だった。二人は理由も分からず惹かれあい、喧嘩をしながら、互いに寄り添いながら、共に大人になった。だがやがて、小さな誤解が二人の恋を引き裂く。イタリアで120万部超の記録的セールス!世界的な注目を集める感動作。

ああ、すごく良かった。最初から最後まですごく好きだった。

双子の妹を置き去りにしてしまったことで孤独の殻に閉じこもる少年マッティアと、片足が不自由になり父を憎みながら拒食を続ける少女アリーチェ。
生きるのが下手で人との関係をうまく築けない2人が、惹かれあいながらも、距離を縮めることができない。
でも実は彼ら2人だけじゃなく、世の中を上手に渡って行っているように見えるヴィオラも、マッティアに想いを寄せるデニスも、そして我が子と心を通わせることができない2人の両親も、みんな孤独なのだなぁ…。

それでも寂しいだけじゃない温かさが感じられるのは、孤独な者同士、微妙な距離を保ちつつも、一瞬だけでも心が通じあえる瞬間があって、作者がその瞬間をさりげなく優しく描いてくれているからなんだと思う。

とても良かった。こういう小説に出会いたくて本を読んでいるのだと思った。