りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

河・岸

河・岸 (エクス・リブリス)

河・岸 (エクス・リブリス)

★★★

文化大革命期を背景に、父と息子の13年間にわたる船上生活と、少女への恋と性の目覚めを、少年の視点から伝奇的に描く。中国の実力派作家による、哀愁とユーモアが横溢する傑作長篇。マン・アジアン文学賞、中華文学賞、華語文学メディア大賞受賞作品。

いかにも中国らしい過剰な物語。
不自由で回りのひとたちの監視が厳しくて罵倒や蔑みも過激で、こんな国で暮らすのはきっついなぁ…。

莫言に比べてユーモア控え目なので読むのが辛かった。
性の目覚めを許さず残酷なまでにスポイルする父親も酷いが、主人公の行動も非常にグロテスク。
唯一輝きを放ってたのは、孤児だけどその美貌と頭のよさでのし上がる少女。その傲慢さ故に出世出来ないけど、強かさと逞しさは痛快だった。

それにひきかえ主人公ときたら…。
ここまで八方塞りになっちゃったらもうどうしようもないよ。最期は魚になるしかないようだ…。