りつこの読書と落語メモ

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憑かれた旅人

憑かれた旅人

憑かれた旅人

★★★★

これぞユアグローという作品だ。
「ある架空の回想録」と副題がついた本書は、異国のたびでのさまざまな遭遇を描いた短編集。

旅をモチーフにしているのだが、これは旅ではなく夢?と思うような物語が次々繰り広げられ、中には私がよく見る悪夢にそっくりな物語もあり、ああ…生きるということは旅することなのだな、旅をするということは夢を見ることなのだな、なんて妙に納得してしまったり。

そして短編集のようでいて、全ての物語がつながっているようでもあり、そういう意味では長編小説ととらえることもできて、
奇想天外のようでもあり、しかしとても普遍的な真理を語っているようでもあり、おちゃらけているように見えてものすごく真面目だったり、そうかと思うとやはりぷいっはぐらかされるような感じもあり…。

つかみどころがないようでいて、ものすごく共感できるところもある…摩訶不思議な作家だなぁと思う。