憑かれた旅人
- 作者: バリー・ユアグロー,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/03/30
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
これぞユアグローという作品だ。
「ある架空の回想録」と副題がついた本書は、異国のたびでのさまざまな遭遇を描いた短編集。
旅をモチーフにしているのだが、これは旅ではなく夢?と思うような物語が次々繰り広げられ、中には私がよく見る悪夢にそっくりな物語もあり、ああ…生きるということは旅することなのだな、旅をするということは夢を見ることなのだな、なんて妙に納得してしまったり。
そして短編集のようでいて、全ての物語がつながっているようでもあり、そういう意味では長編小説ととらえることもできて、
奇想天外のようでもあり、しかしとても普遍的な真理を語っているようでもあり、おちゃらけているように見えてものすごく真面目だったり、そうかと思うとやはりぷいっはぐらかされるような感じもあり…。
つかみどころがないようでいて、ものすごく共感できるところもある…摩訶不思議な作家だなぁと思う。