りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

如何様 (イカサマ)

 

如何様

如何様

 

 ★★★★

敗戦後に復員した画家は出征前と同じ人物なのか。似ても似つかぬ姿で帰ってきた男は、時をおかずして失踪してしまう。兵役中に嫁いだ妻、調査の依頼主、画廊主、軍部の関係者たち──何人もの証言からあぶり出される真偽のねじれ。「本物」とは何かを問う、いま最も注目の作家による快作。 

「如何様」
復員した男は本人なのかなりすましなのか。ミステリーのような設定にワクワクして読み進めていったけれど、明確な答えがあるわけではなく、むしろ「本物と偽物の境界はなんなのだ?」と疑問を突きつけられる。
分かったようなわからないような…なのだが、画家の妻・タエがふわふわと魅力的でなんとなく楽しい気持ちで読み終わる。

 

「ラピード・レチェ」
駅伝を外国に教えに行く女性コーチとカフェの店主とのやり取り。心温まる部分と冷っとする部分があって不思議な読後感だった。