りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

覗くモーテル 観察日誌

 

覗くモーテル 観察日誌 (文春文庫)

覗くモーテル 観察日誌 (文春文庫)

 

 ★★

ある日、コロラド州のモーテル経営者ジェラルド・フースから手紙が届いた。なんと屋根裏の覗き穴から秘かに利用者たちの姿を観察し、日記にまとめているという。男を訪ねた著者が案内され目撃したのは、全裸の男女がオーラルセックスに励む姿だった。不倫からグループセックスまで、三十年に及ぶ衝撃の記録

覗きにとりつかれた男・ジェラルド・フースがモーテルを買い取り自らがオーナーとなり天井裏から覗き見した内容を克明にノートに綴る。

ジェラルドが覗きという何よりも秘密にしたいはずの行為を30年も続けていながらノンフィクション作家である著者に自分の日記を読んでほしいと連絡してきたのはなぜななんだろう?また他言しないことを条件に彼の告白を読み続けてきた著者がノンフィクションとして出版できたのはなぜなんだろう?途中からはその興味で読み進めていたのだが、うーむ…。

ジェラルドはある意味「信頼できない語り手」だけど、本当のことだからこそ…なんだろうなというリアルさが時折見える。覗きを続ける中で彼自身がどんどん人間不信になっていくのは、解説にもあったけどジョン・チーヴァーの「巨大なラジオ」みたいだなと思った。
ジェラルドの行為を二人の妻が容認していたということにも驚く。
まさに事実は小説より奇なり。

とは言いながら、この人の行為自体はほんとに面白がれないことなんだけど。胸糞悪くてとっとと読み切った。やでやで。