りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

通ごのみ~特選落語集~

2/27(木)、日本橋劇場で行われた「通ごのみ~特選落語集~」に行ってきた。

 

・小辰「替り目」
・小里ん「五人廻し」
・雲助「双蝶々より 権九郎殺し」
~仲入り~
・市馬「七段目」
小満ん「水中の玉」

 

小辰さん「替り目」
「本日は命がけで集まっていただいてありがとうございます」と小辰さん。
「通好み」というタイトルにある通り、本当に通好みなプログラムで…その開口一番ということで小辰さんの意気込みが伝わってくるような高座。
よく聞く噺だけれど、酔っ払いが新内の流しを家に引き入れて、そこで一節やってもらうというのは初めて聞いた。流しは姉と弟で最初は姉が歌い(袖にいらしたようなので姿は見えなかったけれど声で「そのさんだ!」と分かる)、「お前もやれよ」と言われた弟が「私は三味線だけなので」と固辞するのを、「そう言わずにやれよ」と言って、小辰さんが自ら都都逸を。
すごいサービス精神。

 

小里ん師匠「五人廻し」
吉原がなくなった年に私は小学生だったと小里ん師匠。
噺家になって吉原の存在を知り、実際に通っていた師匠方から話しを聞いたりして、本当に悔しくて残念で…それ以来何を考えるんでも「吉原が無くなった年」が基準になるようになっちゃった、という話しに笑う。

そんなまくらから「五人廻し」。
個性豊かな5人の客。見栄の場所だとは百も承知だけど、女がちらりとも顔を見せずに悔しくて、若い衆を部屋に呼んで文句を言ったりからかったり…。
ことさら強烈にやるわけじゃないんだけど、それぞれの個性や嘆き方の違いがリアルですごく面白い。
こんな男たちを一人で相手しなければならないんじゃ、花魁も嫌気がさすよな…。
サゲの一言に溜飲が下がる。

 

雲助師匠「双蝶々より 権九郎殺し」
いったん幕が下がって、板付きで登場。
芝居仕立てで鳴り物もたっぷり。
長吉を強請って金を巻き上げて女を身請けしようとうかれている番頭の権九郎と、権九郎を殺すつもりでやって来た長吉。
念入りに何度も権九郎を刺す長吉の冷徹さが恐ろしく鳥肌ぞわぞわ…。
鳴り物入りで迫力十分。

 

市馬師匠「七段目」
最初から最後までご機嫌な「七段目」。市馬師匠も歌舞伎好きなんだろうなぁ。所作が自然できれいだし、「これもん」なところが全然なくて楽しい。
芝居にかぶれた若旦那も、遊び心が全くない大旦那も、市馬師匠にぴったりなんだなぁ。

小満ん師匠「水中の玉」
初めて聞く噺。
瀬戸内海の船旅をしている江戸っ子二人。長旅なので自己紹介したり話をしたりしている中で一人浮かない顔の男。話を聞いてみるとこの男、浦島屋という骨董屋の手代・太郎兵衛。集金に行って懐に入れていた三百両を海に落としてしまったので死んでお詫びをするしかないと言う。
早まっちゃいけない、何かみなさんいい考えはありませんか?と船の上の人たちに相談するとその中の一人が巨大なフラスコを持っていてこれを貸してやるからこの中に入って海の中に落としたらどうか?と言う。
それを聞いた太郎兵衛が喜んでフラスコの中に入って、海の底へ沈んでいく。
目の前を泳ぐ魚やタコの様子に大喜びしていた太郎兵衛。自分が落とした三百両入った紙入れも見つけることができたのだが、フラスコから手を伸ばして拾うことができない。
どうにかして拾うことができないかとフラスコを叩いたりしているうちにガラスが割れて海の水が入ってきて溺れてしまう太郎兵衛。
気が付くと竜宮城の前にいて、太郎兵衛は浦島太郎と間違えられてまんまと中に…。

 

…ファンタジーな展開と太郎兵衛のちゃっかりした人間性が落語らしくて楽しい~。
小満ん師匠の茶目っ気もたっぷりでそこに鳴り物が気持ちよ~く入って、めちゃくちゃ楽しい。
いやぁほんとに素敵だった。そしてほんとにいい会だった。次回は6月1日とのこと。