いつかの岸辺に跳ねていく
★★★★★
あの頃のわたしに伝えたい。明日を、未来をあきらめないでくれて、ありがとう。生きることに不器用な徹子と、彼女の幼なじみ・護。二人の物語が重なったとき、温かな真実が明らかになる。
幼馴染の護と徹子。「フラット」の章は護、「レリーフ」の章は徹子の視点から物語が語られる。
単純で優しくてフラットな護が語る物語はシンプルで「普通」なのだが、徹子の物語は過酷だ。
徹子には何かがあるんだろうなと想像はしていたけれどこんなことだったとは…。
自分の能力を十字架のように感じながらすべてを一人で背負おうとしていることに気づいて駆けつける人たちが素敵だ。